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公開中

さむがりのクリスマス

とく…とく…とく…。  とく…とく…とく…。 時計の針の音は絶えず鳴り、頑張ってずっと働き続けてるんだぞと言わんばかりに主張してくる。 次第に音がだんだん大きくなってきてる気がするけど、気のせいだろうか。 いつも通りの灰色の壁と薄暗い黄色の灯りは、冬休みに入ってもおんなじだ。 明日は、クリスマスイブである。…少し、何か期待してしまう僕がいる。 今更寂しがり屋になっても、父さんと母さんはうちに帰ってこない。 そして、サンタクロースも___。 いつも思い出すのは、父さんと母さんがいた最後のクリスマスの日。 あの頃はまだ8歳だった。父さんからはぬいぐるみを、母さんからはマフラーをもらった。 あれから2年、今もそれらはある。変わったところは、埃をかぶってすすけてきたことぐらい。 もう少しだけ素直になれたら… 僕はもう少し変われたのだろうか…?
朝。クリスマスだ。 昨日ベッドの横にはほったらかしていたぬいぐるみを埃を取り払って置いておいた。 ついでにマフラーも埃を払って畳んで置いた。 部屋の中はいつもどうりで、トクベツなことはなーんにもなかった。 ただの平日なんだよ。 きっと、これからも、ずぅーっと。 …ずぅーっと…?
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