公開中
5話 揺れる気持ちと颯のきもち
まえがき
こんにちは!coco☆bayです😊
もう5話!自分でもびっくりです😮😮😮
本編どうぞ!
――健太のあんな顔、初めて見た。
小園健太は、いつだって明るかった。
天真爛漫で、後輩なのにどこか頼れて、口は悪いくせに、誰よりも人を見ているやつ。
そんな健太が、僕のことで苦しんでいた。
(気づいてやれなかったな……)
それが、最初に湧いた感情だった。
そして——気づけば、戸柱の姿が頭から抜け落ちていた。
翌日。
遠征に向かう新幹線の車内、中川は偶然、小園の隣の席だった。
気まずさを予感していたけれど、小園はいつも通りだった。
「……おはよ」
「おー、やっと来た。荷物上げる? ほら」
「……ありがと」
自然に接してくれることが、逆にしんどかった。
(何もなかったみたいに振る舞ってるけど、僕の方がわかんなくなってる)
「お前、寝てねえだろ。顔ヤバい」
「……寝れなかった」
「おれのせい?」
「……うん、ちょっと」
小園は「マジか」と小さく笑った。
そして、ぽつりと呟いた。
「……おれも」
その一言で、胸がきゅっと締め付けられた。
笑いながら、ちゃんと傷ついてる。
何でもないふりして、それでも期待してる。
それがわかってしまったから、余計に、心が揺れた。
(僕……戸柱さんのこと、ほんとに“好き”なのか?)
尊敬と憧れが、ずっと入り混じっていた。
確かに惹かれてた。でもそれは、距離があるからこそ生まれた感情だったのかもしれない。
そして今、こんなに近くにいる人間に告白されて、
こんなにも気持ちがざわついてるのは、なんなんだろう。
もし、健太が笑わなくなったら。
もし、健太が自分のそばから離れていったら。
もし、もし―――
僕の隣に健太がいることが、当たり前じゃなくなったら。
——それは、絶対に嫌だ。
ただの友達として失いたくないだけなのか。
それとも、自分も……。
「なあ、健太」
「ん?」
「……もうちょっとだけ、話していい?」
「もちろん」
その返事があまりにも自然で、優しくて、
中川は思わず、手元の紙コップを握りしめた。
今はまだ、答えは出ない。
でも確実に、心は動き始めていた。
トバさんへの想いに、どこか終わりが見えてきてしまった。
そしてその隣に、小園健太という“現在進行形”の想いが、静かに立ち上がってきていた。
あとがき
どうでしたか?
ついに颯の想いが揺らいできましたね⋯⋯⋯!!!
果たして颯が選ぶのは、小園健太か戸柱恭孝か………!
戸柱推しの人スマン、次も小園×中川です🙏🏻