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もう一度、あの星々を。
単発です!!
あと、初めての男視点です。
人々が賑わう市場を歩く。
確か…肉屋だっけな。
肉屋のおばちゃんに買い物メモを見ながら俺は注文をする。
久しぶりに市場に来たなぁと思いながら、遥か昔の純真だった頃の俺を遠い目で思い返す。
あの頃はマジで良かった、何も考えないで友達と遊んで、食って、寝て。
あの頃の俺、今は就活やらなんやらで忙しいぞ…今からでもなんか人生の経験的なのしとけ、とりま親の手伝いしとけ。
じゃないと大人になった時苦労するぞ…こうやって、な…?
市場なんてしばらく自宅警備員やってたからわかんねぇよ、今も実質自宅警備員だけどな!!
そう、俺は|自宅警備員《クソニート》だ。
小学校から中学校は友達とバカやって、気楽に何も考えないで生きてたけど、高校受験でまっっったく勉強してなかったせいで必死こいて勉強するハメになり、卒業直前のみんなであの超人気テーマパーク、「スターランド」に行こうの会!に参加できなかった。1人家で寂しく勉強してたんだよ!!何とか高校に入れたものの、かなりテストとかキツくなって…
それで落第して留年。
高校の最終学年にはなれたけど、大学はどこも失敗して、それで気力が消えてソシャゲとネットに生きる自宅警備員の仲間入りってわけだ。
親からは働け働け!って言われてるし、就職場所を今は探してる。
でも、こんな高卒(留年歴あり)で特に目立ったところもない俺を雇ってくれるところなんてそうそうなくて、現在自宅警備員継続中だ。
とりあえず飯を作れ、とのことなので食材の買い出し中だ。
もーちょっとなんか…市場に通っていれば!!
買い出しに3時間かかることもないのに。
俺ってやっぱダメダメだわ…
また今度も面接だ。帰ったら風呂に入って清潔にしなければ。
やっと買い出しが終わり鬼の形相となっている母親に平謝りし、風呂に入ってポストに入っていたらしいハガキを見る。珍しいことに俺宛らしい。
どれどれ…とハガキのオモテを覗く。
「新入社員募集!学歴不問、まずはお試しだけでもいかがですか?」
という文面とともにやけにカラフルな謳い文句が書かれていた。
…ふーん、条件とかは結構俺の希望に近いし、とにかく働く場所がないんだ、行くしかない!
そこそこ近いのが幸いだった。
どんな会社かは書いてないけど、まあなんとかなるだろ。「人の夢を叶えるステキな職業!」らしいけど…
まあこれは結構簡単に向かえるんじゃね?
…と思っていた時期が俺にもありました。
建っている建物が新しくなってる…だと…!?
どれもこれも俺が中学生ぐらいのころに見た建物じゃない気がするし、何より勉強の知識とかでそういう記憶が吹っ飛んだ。クソ受験め。
そんな憎まれ口を叩きながらフラフラ歩いているとなんかやけにキョロキョロした女の子が歩いている。ジュニアアイドル並みに可愛い。思わずジーッと見てしまうと、女の子もこちらを見た。
さっと視線を逸らす。俺、HENTAIだと思われた…?
女の子がこっちに来る。え、俺、お縄についたりするの…?な、なんも悪いことしてません!やましいこともしてませんよ!無職だけど!
「…もしかして、君…?うちの新入社員の面接に来てくれたのですか!?」
「え、あ、はい…?えーと、そそその…『スターレインカンパニー』さんの社員さんですよ…ね?」
テンパるー。そりゃこの方社会で働いたことありませんもん。これから働きますけど!けど!!
「はい!わたし、『ステラ』と申します!これからよろしくお願いします〜!」
「あ、よ、よろしくお願いします…?」
やけにテンションが高い。まあこんなバカニートですら即採用(…だよな?)するんだから、切羽詰まってたり…?
「えーっと、早速会社はこちらです〜!」
は、え、ちょ、心の準備が〜!
〜数分後〜
「さあてと、ここです!」
そこそこ新しい建物に「スターレインカンパニー」という真新しい看板がかかっている。確かに奥の方だし、気づかなくてもしょうがないか…?
とことこステラさんはドアまで歩いて行き、社員用であろうカードキーをタッチして入った。
「さ、どうぞ〜!」
恐る恐る入る。思ったよりこぢんまりしていた。でも清潔感があって、これまた社員であろう人々が会議している。
…うっ、注目されてる。やめろ!俺を見るな!
「みっなさーん!こちら、新入社員さんでーす!」
「お、おおっ…!」
うっ、もっと注目されてる…!
「それではー!自己紹介をお願いしまーす!」
「…あ、ええっと…アルト・ターズです…?」
テンパりながらなんとか自己紹介する。パチパチと拍手が起こったことで少し精神が安定した…。
「ということで!これから君には仕事をやってもらいます。」
え?面接だけだと思ってたんだが?
「この書類を先輩に教えてもらってやってみてください!お願いします!」
ままま、まてまて!?こんな量の書類流石に反則だろ!?
その日、俺はクタクタになるまで書類仕事をしたのであった。ハードすぎんか?いや俺の書類仕事耐性がないだけなのか?ちなみに先輩方はもっとやっていた、え?
しばらく仕事をしてみて、思ったこと。
働くことを舐めてました。
そんなこんなで泣きそうになりつつ書類をまとめ、スライドを作る…。
まだまだ仕事が残ってるなんて、信じられん!
「アルトくん、ここ。誤字だよ。」
「あっ、はははいすすすいません…」
相変わらずコミュ障やってます。
ちなみにこの会社は空を綺麗にするための会社らしい。空が綺麗になればホシがうんちゃらかんちゃら…とか言ってた。詳しく話を聞いてなかったから知らん。こんなやつでも働けるんだ…
「おはよう、アルトくん!」
「あ、おはよう…ございます…」
朝からステラさんはとてもとてーも元気だ。
「さて、毎日書類仕事も疲れたよね?今日は出張に行きましょーう!」
や、やった!ついに書類から解放される!
「えー、記念すべき第1回の出張は…土地買収の助手です。」
「いいじゃないですか!我々が向かってもダメでしたし…アルトさんに行ってもらいましょう!」
土地買収の…助手!?HA!?E!?いやそれ、(一応)入社したてで聞かれてないけどニートだった俺に任せる仕事じゃないよな!?
美少女…もといステラさんのキラキラした目が俺を見つめる。
「社長のご指示ですからねー」
というか社長だったんだ!?そういう大事なことは早く言えよ!?
周りからの視線。社長の期待。
あっ、これ断れないやつだ^ ^
半ばなりゆきで買収の助手に就くことになってしまった…。嘘だろ。そ、それよりも仕事をする上でまず「ホシ」について知らないといけないよな…。バーっとだけ聞かされてたけど。
「あの、ステラさん。『ホシ』って…いったい何ですか?」
すっと目を細めて、ステラさんがつぶやいた。
「…昔々、この空に輝いていたもの。」
その美しく儚げな表情に俺は吸い込まれてしまうように感じる。
「アルトくんやわたしの祖父母の世代なら知っているよ。白や赤っぽい光を放っていたの。そんなホシを見て、人々は心を動かされていた。でも…ロケットや惑星の探査などがすごく盛んになって、高いところにある空気は汚れていったの。その汚れた空気が邪魔をして、だんだんホシは見えなくなっていって…。でも、ロケット開発を止めるなんてことはできなかった。だから今も、ホシは見えないままなんだ。」
何も言えなくなった。
ただひたすら無言で、バスが動いていくのを眺める。
俺たちは、俺たちが愛していたものを、自分で見えなくしてしまったのか…?
わからない。
「ここが買収予定の土地だよ」
連れ出されたのは海の近くの高台。
「この土地で何を?」
「この土地から空気をちょっとの間だけ綺麗にする装置を飛ばすの。本当は永続的に綺麗にできれば良かったんだけど…技術的にそれは難しかったんだ。空気を綺麗にすれば、もう一度、人間がホシを見られるようになるはず…。」
昼下がりの空をじっと見つめる。夜になると黒い絵の具で塗りつぶされたようになって、何も見えなくなるこの空を。
「装置はちゃんと回収するし、安全テストも終わってるんだけど、初めてのことは誰だって怖いものだから…反対意見が出ることも分かってたよ。まだこの土地は買収できていない。ほら、あそこ」
ステラさんが指差したところには、「土地買収反対!」などののぼりがたくさんあった。
俺には、ステラさんはこの「ホシ」を飛ばすことに何か特別な思いを持っているように見える。
俺はどうしたらいいんだろうか。
突然入ってきたこんな元ニートに出来ることなんて、きっと…
【またそんなこと言って】
「…っ!」
今、のは…?
俺は何か、忘れているのか…?
「どうかしましたか?」
「あっいや、なんでも…」
唇の端を持ち上げて、そっとステラさんはこう言った。
「…そろそろ、帰ろっか。元々取り合ってくれないから、視察という感じになることは分かっていたんだけどね…ごめんね」
無理をしているのだろうか。
「いえ、あの…だ、大丈夫です…。」
帰りもしばし無言でバスに乗る。
ホシのため、ステラさんのため、俺に出来ること…
考えれば考えるほど頭がぼんやりしていった。
その後、バスから降りたところで解散となった。俺もステラさんも終始無言で、何か喋らなきゃと思うほどに声が出なくなった。
ゆっくりと沈んでいく太陽を眺めながらぼうっと考える。
あの時、聞こえた声はなんだったのだろう?
家に着く。お袋はニヤニヤしていた。なんてったって今までニートだった息子が働いて帰ってきたんだもんな。そりゃ嬉しい。
でも、素直に喜べる心情じゃないんだなぁ…
お袋の声掛けも気にせず部屋に飛び込む。
部屋を探る。アレはあるだろうか?
しばらく探してベットに倒れ込む。
やはりないのだろうか。
視線を横に逸らした。
本棚から崩れ落ちた本たちが乱雑に積み重なっている。
「…あっ」
あった。あの本はまだあった。
急いで掴む。古すぎるからか、思いっきり掴んだからか、ページは少し破れた。
もう一度ベッドに倒れ込んで夢中で本を読む。
…あぁ、そうだ。
なんで忘れていたんだ?
俺は…
星を見せるって約束したじゃないか。
俺の家は「テンモンガクシャ」が多くいたらしい。
なんでも、星を観測したり、宇宙の新しい法則を発見したり…という職業らしい。
でも、星は見えなくなるかもしれなくなった。
必死に俺の家は環境を改善しようと頑張ったそうだが、今の現状で分かるだろう。
ダメだったんだ。
俺のおばあちゃんもそうだったんだ。
「ねーねーおばあちゃん、これなぁに?」
俺があの図鑑を持っておばあちゃんにページを見せる。
「ええ、これはアルタイルよ。太陽よりも質量…つまり大きさが大きくて明るさも11倍くらいあるのよ」
「でもおひさましかみえないよ?」
「…そうね。確かに今はそうよ。でもね、アルト。昔はアルタイルだけじゃなくて、もっともっと色々な星が見られたの。」
寂しそうにおばあちゃんは微笑む。
そんな姿を見ていられなくて、俺は…
「じゃあじゃあ!おれがもういちどあるたいる?をみられるようにする!やくそく!」
「…ふふふ。じゃあ約束よ、アルト。おばあちゃん待ってるからね」
目を見開いて、クスクスと笑い出したその姿を見て、俺も嬉しくなったんだ。
そう、あの時聞こえた声はきっとおばあちゃんのもの。
でも、おばあちゃんはその数ヵ月後に穏やかに息を引き取った。
老衰だって言われた。
本当に星になっちゃったんだ。
だから、俺はあの時の記憶を辛い記憶だと思うようになって、それで…
忘れてたんだ。
無理やり忘れさせたんだ…
そのまま俺はなんとなく生きるようになって、受験も失敗して、働かずにソシャゲばっかやるようになって…
自分で言った夢も、消してしまった。
ひどいよな。
自分で約束した癖に、それを忘れるなんて…
馬鹿だ。俺は大馬鹿だ。
でも。
馬鹿は馬鹿なりに、もう一度やってみようと思うから。
いつもチャレンジしてはすぐ諦めていてグズグズ泣き言を言っていた俺のことを、おばあちゃんはいつもこう言って励ましてくれた。
【またそんなこと言って。アルトならきっと出来るから、そんなこと言わないの】
って。
だから、もう「ニートだから」とか「こんな俺だから」とか言わない。
もう一度やってみるよ。
だから、俺のことを見ててほしい…
おばあちゃん。
翌日、また会社に向かう。
いた。ステラさんだ。
「あっあの!」
「あれ、どうしたの?」
酸欠になりそうだが頑張って俺は口を開く。コミュ障卒業には程遠いけどな!
「お俺、もう一度買収行きたいです。次は絶対土地買い取ります!」
ぱちくりと目を瞬かせるステラさん。
「ふふっ、ふふふふっ」
「え、あ、俺なんかおかしいこと言いましたか!?」
慌てる俺を見てステラさんは目を細めながらこう言った。
「アルトくん、いい目してる!昨日何かあったのかな?…いいよ、行こう!」
バスに乗ってこの自治体の会館についた。
受付嬢にステラさんが声をかける。
「はーい…ってまたあなたですか?いい加減に諦めてくださいよ」
ひでえ歓迎の仕方だよ。
俺は2人の間に割り込む。
「俺たち、諦め悪いので!」
「は、はぁ…」
不意をつかれた受付嬢はポカーンとした顔でこちらを見ている。
ふっふっふ、勝った!第一ラウンドだけど。そうこれから第二ラウンドが待っている。土地の所有者、区長とのバトルが。
結果として、俺たちは勝った。
かなりキツかったけど、区長さんに先輩特製のスライドを使ってオタク特有のマシンガントークでギリギリ勝った。俺たちの熱意についに根負けしたようだ。今までここにたくさん通ってくれた先輩方やステラさんたちのおかげである。予想金額より高かったけどステラさんがぼーんと金を出してくれた。クラファンで国内の色々な人から支援をもらっていたらしい。それでなんとかなったそうだ。ちなみにウインクしたステラさんもめっちゃ可愛かった。イ、イエ、ナンデモナイデス。
「アルトくんがいてくれて良かった!アルトくんってあんなにプレゼン上手だったんだね?すごーい!」
…褒められたのは嬉しいけど「元オタクなんだこいつ」って思われたかな!?穴があったら入りたい。
「じゃあまた明日から書類仕事、お願いね!わたしは色々なところに会見とか言ってくるから!アルトくん、任せたよ!」
…ハ、ハイ。頑張ります。
それから実際に装置を飛ばす今日までスゴークスゴーク俺頑張った。俺偉い。
仕事はやってもやっても増える一方だし、先輩方はまた別の仕事に駆り出されるし、俺の書類仕事耐性及び疲労は今までの人生で1番高いとオモイマス。
でも今日はついに装置を飛ばす日!俺たちの頑張りが報われる日だ!ルンルンじゃないわけないだろ!…緊張もするけど!
「みなさん、もうそろそろです」
ニュースキャスターもたくさん集まってる。なんせでテレビにもこの会社出たしめちゃくちゃ有名になったからな。
お袋泣いてた。俺親孝行した。頑張った!!
「ほらアルトくん、ぼーっとしてないで早く装置の準備手伝って!」
「は、はい!」
さーて、といっても飛ばすまでの仕事もたくさんある。気合い入れてやるぞ!
ふ、ふぅ…やっと終わった…
頭ガンガンする…
「社員のみんな〜!お疲れ様〜!」
「社長!?」
ステラさんがぴょこぴょこしながらやってくる。
「さて、この2ヶ月みんなよく頑張りました!はなまるです!」
ぴょんぴょん飛び跳ねてくるくる回る。うさぎみたいで可愛い…ゴホン、いかんな。
「ではでは、あと5分で装置打ち上げです!準備は…終わってるね!もうちょっと待ってよっか!」
はー、手汗が凄い。一旦トイレ行って心落ち着かせよう…
スッキリしたところで装置打ち上げだ。
ガチャガチャエンジニアの先輩方がもう一度装置をいじる。
カメラも一斉にこちらを向く。ヤ、ヤメロ!俺が精神的にやばい!
「では…カウントダウンです」
「5」
この会社に入社してからもうすぐ半年だ。俺はたった半年かもしれない。でも半年「も」なんだ。普通の半年よりも最高に濃い時間を過ごしてる。
「4」
俺も夢を思い出してからたくさん仕事をやってきた。夢を追うための努力は疲れるけど疲れないというか…とにかく、俺は今までちょっと仕事漬けだったけど。この日々を嫌だったとは絶対に思わない!
「3」
おばあちゃん…見ているだろうか。おばあちゃんのおかげで今俺はここにいる…。たくさんの思い出をありがとう。大切な夢をありがとう。今、恩返しさせてほしい。
「2」
真っ黒く塗りつぶされたようなこの空を、これからもう一度美しい空にしてやる。覚悟してろよ!
「1」
俺の、先輩の、ステラさんの集大成が今、打ち上げられる…!
「0!」
「発射!」
派手な音を立てて装置は飛び出す。俺たちの理想を、夢を乗せて…!
「わぁ…!」
どよめきが湧き起こる。
装置が黒い絵の具を絡めとり、ため息が出るほど美しい空を浮かび上がらせる。
「次も!」
どんどん打ち上げられる。それぞれにはチップが埋め込まれているから、ぶつかることはない。それぞれが黒を削り取る。
藍色に紺色、それに美しい…白。
チカチカと瞬き、雄大な景色を届けている。
綺麗。そんな言葉じゃ言い表せないくらいだ。
俺たちの前に今、目指した景色が、先人たちが愛した景色が映し出されている。
目から溢れ落ちる雫を拭き取ることなく、食い入るように俺たちは空を見つめた。
装置が汚れを吸い取り戻ってくる、その時まで…
ありがとう。また会おう。次はもうちょっと早く会えるよ。
一通り記者たちが帰り、ひと段落した。
もう空にあの星々は見えない。また黒が覆ってしまったこの夜空の元、俺たちのリーダーは前に立っている。
「…ありがとう。本当に、ありがとう」
しばらくの沈黙がかき消され、ステラさんから感謝の言葉が紡ぎ出される。
「…少し、昔話をするね。わたしの名前はわたしのおじいちゃんが決めたんだ。数ある人々の中から、星のように、キラリと輝く。そんな人間になって欲しいって。皮肉だよね。わたしが物心ついた頃にはもう星は見えなくなってしまっていたのに。わたしはこんな名前をつけたおじいちゃんを、少し嫌ってしまっていたんだ。」
唇をぎゅっと噛み、今の空を見つめる。そこにたった数時間前見えた星々はない。
「でも、やっぱりわたしはもう一度見てみたいって思った。心のどこかでおじいちゃんのことは好きだった。だから、わたしはもう一度星を見るために、夢を叶えるために、大学で機械とかの勉強をしてこの会社を作った。こんなわたしの、馬鹿馬鹿しかった夢に付き合ってくれてありがとう」
泣き笑い。今のステラさんの表情にはその言葉が1番しっくりきた。きっと今の俺たちもそんな表情をしているだろう。
そう。初めは馬鹿馬鹿しかった夢。誰かに「そんなことできない」と批判された夢。一度諦めた夢。そんな夢だ。
でも、その夢と同じくらい馬鹿馬鹿しかった俺たちは諦めずに叶えた。
俺たちはやり遂げたんだ。
「本当に、ありがとーーーう!!!!!」
「こら、もう真夜中ですよ!そんな大きい声出さないでください!」
社員の1人がこう突っ込んで、一気に笑いの輪が広がっていく。
心なしか少し温度が上がった部屋で、俺たちはその夜笑いまくった。
「みっなさん!さっきみたいな空をいつでも見られるように、これからも仕事やってもらわないと!困りますからね!」
ステラさんがお茶目にウインクする。
そう。まだまだ終わりじゃない。ここで満足はしない。
|俺たち《馬鹿たち》の挑戦は続くのだ!
☆もしかしたらこのままだとこうなるかもしれないよ?的な警告
☆夢を追いかける楽しさ
☆夢を思い出すことの大切さ
などのメッセージを入れて書きました。
頑張った、私!!