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Day.1-3
注意書きとかは同シリーズの「前書き」見てね。
今まで書いた小説の中でダントツでグロい気がする。
保健室へとやってきた太宰とルイス。
太宰「……ルイスさん」
息は安定しており、大丈夫そうには思える。
だが、万が一のことを考えて太宰は何度か外部との通信を試みた。
太宰「繋がらない、か。本当に何が起こってるのかな?」
災害時のように放送が入って、生徒の避難誘導や安全確認を行ってもいいと太宰は思った。
壁に囲まれているせいで校庭は真っ暗で使えない。
ならば体育館に集合するなど、幾らでもやり方はある筈だ。
その時、保健室の扉の開く音が聞こえた。
不在だった養護教諭が帰ってきたのだろうか。
少女「ほ、包帯は……ッ」
暗い髪色に、青い瞳の少女が駆け込んでくる。
その小さな体が背負うは━━。
太宰「……その怪我」
少女「すみません! 包帯何処か知りませんか!」
太宰「そこに寝かせて」
太宰は包帯の場所など知らなかった。
しかし、いつでも懐に新品の包帯を仕込ませている。
慣れた手つきで太宰は、少女の背負っていた“足から血を流す少女”の手当てを始めた。
太宰「それで、何をどうしたらこんな大怪我になるわけ?」
少女「……先輩、もしかしてあの揺れが収まってから、この部屋から出てませんか?」
質問返しは嫌いなんだけど、と太宰はため息をつく。
太宰「私達は屋上から中央階段を使って真っ直ぐ保健室に来たのだよ」
少女「じゃあ、見てないんですね……あの“怪物”を」
太宰「……怪物?」
---
突如、揺れが少女達を襲い、壁が学校を囲む。
その後、全員が頭が割れそうなほどの痛みに床を転がった。
少女「……ぅ」
数分すれば症状は落ち着いてきた。
一人、また一人と目覚めていく。
少女はある人物に体を揺さぶられたことで、目を覚ました。
???「大丈夫?」
少女「うん」
お姉ちゃんは、と少女は体を起き上がらせる。
改めて外を見てみると、真っ暗だった。
壁のせいで外からの光が入ってこないのだ。
担任「怪我をした人はいませんか!」
少女の担任が生徒一人一人の安全を確認していると、廊下から悲鳴が聞こえてきた。
ちょうど扉の近くにいた担任が廊下を見ると━━。
担任「……え?」
グサッ、と音を立てて担任の腹部に何かが突き刺さる。
その“何か”が抜かれると、担任は床に倒れ込んだ。
“それ”は倒れた担任に何度も突き刺す。
誰かが悲鳴を上げた。
反応した“それ”は担任だった肉塊を踏み越えながら、教室へと入ってくる。
少ししか見えなかった“何か”は人の形をしており、腕は鎌の形をしていた。
扉の近くにいた生徒は逃げようとした。
しかし“何か”はそれを許さず、無惨にもその生徒の頭と身体を分離させる。
頭は、少し離れたところにいた別の生徒の腕の中へと嵌る。
少女の姉「逃げるよ」
少女「お、お姉ちゃん!?」
少女の姉はすぐに手を引いて駆け出した。
それに続くように、クラスメイトも教室から飛び出す。
少女「うっ……」
目の前に広がる光景に、少女は口元を抑える。
何処を見ても肉塊が転がっており、廊下が真っ赤に染め上げられていた。
“何か”の姿は見当たらないが、たくさんの悲鳴が廊下を反響している。
何処かで“何か”は人を殺しているのだろう。
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少女「━━お姉ちゃんの傷は、逃げてる途中で怪物にやられました」
太宰は正直信用できなかった。
そんな非現実的なことがあるわけがない。
けれども、少女の話はルイスが頭痛で苦しんでいた時刻と一致する。
太宰「……君、名前は?」
少女「さ、桜月です。泉桜月。お姉ちゃんは鏡花━━」
そう、と太宰は冷や汗を流す。
太宰「桜月ちゃん、そこを動かないでね」
次の瞬間、太宰は自分の座っていた椅子を桜月の頭に当たるスレスレに投げた。
🐰泉桜月
中等部一年。華奢な身体をしているが、姉のことを怪物から逃げながら保健室まで連れていくなど意外と力持ち。(みんな大好き“ののはなさん”のところの桜月ちゃんです。リクエストいただいたので登場。キャラ崩壊したらごめん!)
🐰泉鏡花
中等部一年。桜月の双子の姉で、妹を守る為なら何だってできる。(みんなも鏡花ちゃんを推そう!)
🐰怪物
閉じ込められてから学園内を徘徊する“何か”。何故か人間を殺しにくる。(見た目を頑張って文字に起こすのムズすぎる。)