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正義の女神
「いたわ、偽神」
「はぁ?聞き捨てならない言葉を聞いてしまったわね」
偽神、と呼んだのはアストレアだ。あいつが一番信用できない神で、戦と正義を司る神だ。
「あんたが異変の元凶なんでしょ。分かってるんだから」
「はあ…今どき、正義を一意に定めるのは難しいわね。でも、人は殺しちゃダメでしょ?どんな敵であっても、人を生かすのは悪なのでしょうかね。さあ、神の力、思い知るが良い!戦符『エピックス・ストーム』っ!」
「はあ…ったく、こんなやつに付き合うなんて嫌ね。まあ、相応の情報を持ってると見たわ。種族を超えてでも、勝てるのを見せつけてやるわ!飛符『飛天連舞』!!!」
「落ちこぼれでも、勝てるのを今証明してやる!魔符『セイバー・ブラスト』!」
シュッという風の切る音と、紅の放ビーム魔法が飛び交う。それと同時に、アストレアの金色の光も突き抜ける。
「トドメだ、由有っ!魔符『ハイパー・ビーム』!」
「そんな攻撃で済ませるものか!」
アストレアはひょいと避けた。でも、そこにわたしの秘技を食らわせる。
「ふふふ、随分強くなったみたいね」
わざとらしく、アストレアはちょっとだけ攻撃を食らった。
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「さーあ、情報をもらおうか」
「はぁ…なんで、戦の神が負けちゃうのかしら。まあ、これも宿命よね。手加減しなかったら、あなたたちは死んでしまうもの。情報?そうね、わたしはなんにも関与していないわよ。まあ、命当たりが怪しいでしょうに」
「命?意外なやつね」
命___彼女は1番強く、他の管理神とは比べ物にならないくらい強い。ビー玉と宇宙くらい、比べるのさえ呆れるほどの差がある。1回倒すだけでも一苦労なのに、彼女は100の魂を持っている。その魂は寿命死することなく、誰かにやられるだけしか死ぬことはないのだ。その魂はビーズ状になっており、ネックレスとして首元にある。その魂はかたく、割れることはないのだ。
「さあ、動機はわかんない。まあ、命なんかのとこへ行ってみたら?」
「あんなに泡影会を大事にしてんのに…なんでだろ、由有、わかるか」
「前から胡散臭いやつでしょ?どうせ、適当な口実つけてやってるわよ」
だけど___
あんなに泡影界をたいせつにしているのに、なんでだろう。