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又旅浪漫
「特攻平和会館って特攻基地の事よね。
観光地の名前は久しぶりだわ。
あそこの出身だからもちろん知ってるけど...」
「あれに乗って行く。」
"特攻基地"と地元呼びするハヅキは
歩き始めた時のように堂々とした様子は微塵もなく
子鹿のようにあわあわとしている。
リスみたい。
...これは面白い。ヒトに話せたら笑うだろうか。
良いメスである。
ぽてぽてと歩きながら話していた俺達は
今や完全に立ち止まっていた。
あわあわのハヅキは色々と聞きたそうだ。
「いやいや、乗って行くって、動くのあれ。
修繕も操縦も一体誰がするっていうのよ。」
「修繕はニボシを全部出せば問題無いだろう。
操縦というのは何だ。そちらの方が一体何だ。」
「ニボシは後からツッコむとして
操縦っていうのは、そうね鉄箱。
あれに乗る"ニンゲン"が必要よ。」
「"ヒト"か。それなら心配ない、家のヒトがいる。」
「あとはニボシね...
ニボシではあの飛行物体を直すことは」
「それも心配ない。修繕も操縦も、ヒトの手を借りる。
ヒトとネコは"同じ"なのさ。」
鈴虫の大合唱が秋を感じさせる。
「面白い超えて、怖い超えて、
やっぱあんたって面白いね。」
"それはハヅキも同じだろう。"
これはツッコみ、というのだろう。