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呪いの異変?
幻想郷は、特に異変もなく穏やかに過ごしていた。
「ふぁ・・・ぁ・・・」
博麗神社の巫女であり所有者の《《博麗霊夢》》は、大きなあくびをした。
「あーあ。暇ねぇ。まっ、平和なのはいいんだけど」
霊夢がそう呟いていた時だった。
「霊夢~!」
遠くから聞きなれた声がした。
「ん、魔理沙。なにをそんなに急いでるわけ?」
「新しい異変が起きたかもしれないんだ」
魔理沙は焦りながらそう言った。
「《《かも》》しれないって・・・どういうこと?確実ではないわけ?」
「ああ。まだ分からないが・・・異常が起きていることは事実だぜ」
「で?どんな異常事態なの?」
霊夢がそう質問すると、魔理沙は困ったような顔をして答えた。
「住民が、何かの|呪《のろ》いにかかっているんだ」
霊夢は不思議そうに首を傾げた。
「呪いに?」
「ああ。今|永琳《えいりん》が解決法を探してる。私たちにも協力してほしいそうだぜ」
「そうねぇ。異変じゃなかったとしても、幻想郷が被害にあってるなら、何とかしなくちゃね。にしても、手伝うって、具体的にどうするわけ?」
「それはまだ分からないんだ。とりあえず永琳のところへ向かおうぜ」
「それもそうね」
そう言って、二人は神社を出て、永琳の元を訪ねた。
「あっ、来てくれたのね!よかった・・・話はあらかた魔理沙から聞いてるわよね。で、詳しい話なんだけど・・・」
|八意《やごころ》永琳が本題を話そうとしたときだった。
「永琳!いる?」
奥から来客が来ていた。
「あぁあ・・・えっと、ちょっと待ってて!ごめんね!」
そのまま永琳は走り去ってしまった。
「まったく・・・せわしないわね・・・」
「しょうがないぜ。永琳は今回の異変(?)を解決しようとしてるんだしな」
「永琳がここまで動くなんて・・・何かあったのかしらね」
「さぁな」
二人はそのまま永琳を待った。そして、数十分後、永琳が戻ってきた。
「お待たせ。それで、今回の異変?なんだけど・・・」
「やっと本題ね」
「幻想郷の住民が、次々と記憶を失う呪いにかかってるの」
「記憶を・・・」
「失う・・・って、どういうことなんだ?」
魔理沙は首を傾げた。
「そのまんまよ。たくさんの生き物が、いろんなものを忘れていってるの。初めのほうはちょっとした物忘れから始まるの。それから、どんどんたくさんの物、人物を忘れていって・・・最後は、記憶喪失レベルで記憶を無くしてしまう。とても危険な呪いなの」
永琳は悲しそうにうつむいた。
「へぇ・・・で、予防法はないわけ?」
「ないわ。調べているけど・・・どれも失敗」
ため息をつく永琳を見て、魔理沙は青ざめた。
「まさか・・・治療法もないのか!?」
「ええ。ないわ。そのせいで・・・輝夜は・・・」
永琳はとても悲しそうにそう呟いた。
「・・・輝夜が、その呪いに?」
「ええ。私の事も・・・忘れてる」
そこで霊夢はひらめいた。
「なら、私がお祓いすればいいじゃない!呪いでしょ?私の専門分野よ!」
その言葉に、永琳は少しだけ希望を見出した。
うおおおおおおお!!東方LOVE!!!!
・・・これ病気パロだから苦手な人は見ないでね!