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他の世界の私達 #1
あ、番外編は出せそうな時に出します。
どーしても本編が無理そうなら週一投稿の時に代わりに出すかもしれません。
簡単に言えば番外編は気分ていうか…完成次第(?)みたいな感じです!
ーノアsideー
「ふぁぁ〜…おはようございます…」
私は、自室のベッドで目覚めた。
使い込んである机に、タンス。
たくさん本がある本棚に、床に倒れてる女の子。
起き上がって見る部屋の風景は、いつも通りで…
「…ん?いつも通り…?」
その疑問が浮かんできた数秒後、
「えっ!?」
異変に気づいた私は、急いで女の子に駆け寄った。
「大丈夫ですか!?どこか痛いですか!?生きてますっ!?」
自分の部屋に倒れてる人がいる…そんな異常現場を見た私は、
驚きのあまりパニックになる。
焦りながら女の子の周りをぐるぐる回ってる私もおかしいことに気づかず。
少女「ふぁぁ〜…おはよ〜…ん?あんさん誰?」
そう言ってこちらを見てくる少女は、私とそっくりだった。
…ていうか…私と見た目が同じなような…!?
少女「うちと見た目にとるなぁ。そっくりさんなんかな?」
そう言って微笑む少女は、私そのものだった。
私と、言語は違うけどね。
少女「うちは、ノアっちゅうねん。あんさんは?」
「やっぱり私!?」
私も、ノア。
同じ名前で、同じ見た目。
そんな人がいるもの!?
「私も、ノアです! ノアちゃん、どこからきたんですか?」
ノア「んー…起きたらここにおったんよ。ていうかここうちの部屋じゃないん…?」
「えぇと…ここは、私の部屋なはず…ですよ…ね?」
ノアちゃんがいたところも私とそっくりな部屋らしく、
本当に私の部屋なのか自信がなくなってくる。
「ん〜…イールに、会いに行ってみますか?手がかりが見つかるかもですし…」
ノア「イールに会うん?暴れるかもしれんで?」
え…?そんなわけ…
「イールはそんなことしませんよ…?すごく優しくて、私の大親友です」
「そっちの世界のイールは、どうなんですか?」
ノア「そうなんやな、よかったわ。うちの世界では、ちょっと問題児なんよ」
「いわば不良…みたいなもんやねん。笑」
そうなんだ…
世界によって、性格も変わるんだね。
私も関西弁じゃないし、こんなに明るくないし…
それに、初対面の人にタメで喋れるほど陽キャじゃないんだよね…
でも、私の知ってるイールは、とっても優しい子だから!
ノア「でもなぁ、一度だけ、うちのこと心配してくれたことがあんねん」
「ツンデレなんやろうな」
同じ『私』であるからか、話が弾む。
そうやって話してる間に、同一人物だと言うことが明確になってきた。
好きなもの、嫌いなもの、得意なこと。全部同じだった。
ノア「じゃあそろそろ、イールのとこにいこか」
「そうですね!」
そういい、お母さんに見つからないように家を出た。
---
イール「…はい?」
イールの家に言って、今日初めて聞いた第一声がこれとは、笑
そう思い、ノアちゃんと顔を見合わせ笑う。
「あはは、イール困惑してるね」
ノア「せやな、みてておもろいわ」
困惑しながら二人を眺めるイールは、
ふと思い出したように言った。
イール「とりあえず、なんでノアちゃんが二人いるのかはわからないけど…」
「ノアちゃんって、関西弁だったっけ?」
「「あ、笑」」
そうだね、私は関西弁じゃないもの。
でも、向こうの世界のノアは、関西弁なんだって。笑
ノア「うーん…うちはな、違う世界から来たノアやねん」
「やから、あんさんが知っとるノアちゃんはこっちやで」
そういって、私を指差すノアちゃんは、少し寂しそうにしていた。
みんなに会いたいんだろう。
知り合いと全く同じ顔の人がいるのに、中身は全く違うのだから。
イール「そんなことありえるんだ…」
「__あ、でも人狼ゲームの時に瞬間移動させられるならありえるかも…__」
悩んでいるイールを見てると、少し前の驚いていた自分を見ているようで楽しい。
(そういえば…)
「イール、向こうの世界では、暴れん坊らしいよ?イール」
イール「え!?ほんとに?向こうの私、何してるんだろ…」
そう呆れた顔で言うイールだが、楽しいと言う感情が隠しきれていなかった。
ノア「|あっち《むこうの世界》では、ツンデレなんよ、あんさん笑」
イール「ツンデレ…?そんなの思い浮かばないや…私が…?」
イールは少し難しそうな顔をしてこちらをむいた。
(私も、考えられないや…笑)
ノア「せや、うちのほうのイールも呼べへんかな?」
「ていうかうちはどないしてこっちにきたんやろ…」
すこし考えた後、諦めたように笑ったノアちゃんはこっちを見た後、
空を仰いだ。
ノア「今日も空は綺麗やね〜、あ、もしやイールが空から落ちてきたりせんかな?
物語みたいになったらおもろいんやけどなぁ」
といった、数秒後。
?「__いっ…わぁぁああ__ぁぁああ**ああああ**!!」
地上から五メートルくらいのところに急に女の子が出現し、
叫びながら落ちてきた。
?「いったた…何、これ。最悪なんだけど」
ん…?
見た目も、声も、全てがイールそっくりな女の子は、
地面に座り、痛そうに頭をかいていた。
?「ん?あんたら誰?ていうか…ここ私の家じゃん」
「はぁ!?なんで私がもう一人いるわけ?ていうか…ノア?あんた、双子だった?」
私の知っているイールを物珍しく見た後、
私とノアちゃんの方を不思議そうに見つめてきた。
イール「…あはは…ツンデレなのはほんとみたいだね…」
ノア「ん?双子じゃないで?うちは、正真正銘の『ノアちゃん』や」
「はい!私もノアです!!」
?「いや、いってること意味わかんないんだけど。ちゃんと説明して」
私達は苦笑いをしながら、状況を説明した。
そしてイールちゃんは、百面相しながら話を聞き、
イール2「で…私はここに落ちてきたと」
「あなたたち、何しでかしてるの??こんなとこに呼び込んで」
という発言を物応じなく言ってきた。
う…
イールちゃんを呼んだのは私達だし、何も言い返せない…
他の二人を苦い顔をしながらも言いたい衝動を抑えていた。
そんな時、もうそろそろ暗くなってきた。
「あ、もう暗くなってきたね」
イール「ていうか、二人ともどうやって帰るんだろ?」
ノア「せやなぁ…こっちの世界もええけど、やっぱ元の世界に戻りたいわ」
イール2「帰る方法もわからず呼び出したって…はぁ」
イールちゃんはこめかみを抑えながらため息をつき、
ノアちゃんも少し寂しげな顔をした。
「一旦、お互いの家に泊まる…??」
イール「それしかなさそうだね」
イールは楽しそうに微笑み、イールちゃんと一緒に家の前に行った
イール2「え…?バレたらびっくりされるじゃん、バカ?」
イール「でも、野宿するわけにはいかないでしょ?」
イール2「…ぅ……__ありがとう__」
イール「ふふ、どういたしまして」
いつのまにか二人も仲良くなったみたい。
イールちゃんは、お礼をするのがなれてないのか顔を真っ赤にしている。
「じゃあ、ノアちゃんは私の家だね」
ノア「本当にいいん?イールの言った通り、びっくりされるんじゃ…」
「いやっ!!私も、嬉しいから!笑
お泊まり会なんて、あんまりしないし」
私の家は少し厳しいのかどうなのかわからないけれど、
お泊まり会とかはあまりしないんだ。
お母さんが騒がしいのが苦手なこともあるかも。
「よしっ、私たちも帰ろっか」
ノア「…ん〜……せやな」
ちょっと控えめに笑ったノアちゃんは、
やっぱり私とそっくりだった。
---
それから、こっそり家に帰り、お風呂に入って
二人で倒れ込むようにして寝た。
そして、その次の日。
「ふぁぁ〜…おはよう、ノアちゃ」
ノアちゃん、そう言おうとしたが言葉が続かなかった。
隣で一緒に寝ていたはずのノアちゃんはいなくなっていて、
代わりにいつもの風景が広がっていた。
私は驚きながらイールに連絡すると、
イールもイールちゃんがいなくなったと返ってきた。
二人はどこに行ったのかはわからなかったけど、
心のどこかで元の世界に戻ったんだとわかった。
理由もないし、確証もない。
でも、それが正解のような気がした。
「ノアちゃん、イールちゃん。そっちの世界は楽しい? 元気にしててね」
そういって、私はノアちゃんのいなくなった部屋を見回した。
少し寂しくなったけれど、それでも不思議とこれからの生活が楽しみになった。
今、《《向こうでは》》何してるのかな?
と、そんな疑問を浮かべながら、
また次にこっちへきた時は何をしようかと、
次会った時のことで胸を弾ませていた。
えくれあ、向こうの世界のイールちゃん、
これで大丈夫そう?でもまえに確認したから大丈夫かな、多分。
なんかわかりにくいですね。
カギカッコで区別して貰えば!
「〜〜」 ノア(主人公)
ノア「」 ノア2
イール「」 イール(現実)
イール2「」 イール2
・ノアの呼び方一覧
ノアちゃん ノア2
イール イール
イールちゃん イール2
3553文字