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深き闇からの目覚め
私がこれから綴るのは闇に住まいし者が光を目指して蹂躙する物語である。
--- トクットクットクッ ---
なにかが脈打つ音がする。「命」の音だと直感した。
生きなければならない。その恐怖に私は目覚める。
そしてそのまま、何かを破る。パリンと音がして割れたそれは、どうやら卵の殻のようだった。
私はお腹が空いていた。よくよく見れば殻は食べれそうではないか。そう考えた私はその殻を食べた。やがて、喰いつくして辺りを見回すと、美味しそうな餌がさっきまでの私と同じように卵の殻を食べていた。
--- 喰ラエ喰ラエ喰ラエ ---
本能が囁く。八本の自らの足を動かして私は駆けだす。初めての狩へと。
-シュッ-
糸で一匹捕らえる。
-カプッ-
二匹目を噛んで毒を注入する。
-ズプッ-
三匹目に足を突き刺す。
-シュシュカプスパズプパパパパシュシュシュシュシュ-
一瞬で餌を捕獲する。美味そうだ。そんな感情によだれを垂らして喰らい付く。
味はあっさりとした胸肉の味に近く、実に美味であった。そして、お腹が膨れたところで、寝ようと思ったが、それでは食べられるかもしれない。考えた末に私は、糸を張って巣を作る。そう、よく見るあの蜘蛛の巣である。そして、作り終わって私はウトウトとし始めた…
続編は気が向いたら書く。その時はよしなに。