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五つ子注意報!♯2
「ふぅ」
見慣れた校舎を見上げて溜息を吐く。
私が通っている高は、|光之丘学園《こうのおかがくえん》。五つ子全員、通っている高校が違うんだ。
「えるち!!」
とんっと肩を押しながら誰かに話しかけられ、振り返るとそこには、ポニテで背の高い私の親友・|望月音祢夏《もちづき ねねか》が立っていた。
「ねね〜!」
不意にねねが「きょーも江水は可愛いなぁ」と言って髪の毛をくしゃくしゃにしてきた。
私は、「ちょっ!ぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!!」と口を尖らせ、窓を鏡にして髪の毛を整え直した。
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「ーーーであり、ーーーはーーーーとなる。」
現在、国語の音読の時間。
ジーーーーーーーーー
そして、男子からの視線が痛い。
授業中くらい授業に集中しろや💢💢💢
「次。67ページ2行目から。梨之宮さん、お願いします。」
・・・まさかの当てられる悲劇…
「はい」
でも、仕方ない。ガタッと音を立てて椅子から立ち上がる。
それでもまだ男子からの視線がやまない。
「〜〜や、ーーーは、と言う。」
一通りいい終わり、席に座り直した。
うわぁぁぁこんなんじゃ、気を抜きたくても抜けないよ…