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暁前の微光【4話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
強くなれ。
強い者だけに、道は開かれる__________
寺「_______________あれは完全、迷子になるで……」
そう呟いた息が、白く濁った。
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見慣れない路地。
カラ「______いやここどこ?」
困惑のあまり自分にツッコんでしもた……
カラが追いかけていたのは猫。あの三人で話に夢中になってる時、確かに目の前を《《黒い猫___黒猫》》がすぎていったのを見た。
「カラは好奇心が旺盛すぎんねや。そんなんやから外出すると毎回迷子になるねやんか。小学校にも上がったんやから、ちぃっとは大人しくしたらどない?」
今日の朝、そう母に言われたことを思い出す。
んなこと言われても…黒猫。黒猫やで?魔女宅のジジやで?あんな真っ黒な猫、珍しい。そりゃ、近くで見たいし観察したい……
黒猫なんておったら誰でも追いかけてまうやろ!
そもそも好奇心旺盛のどこがあかんねん…小学校にも上がったんやからって___まだ小2やで?人生100年時代。俺は130まで生きるんや。
人生これからやのに、俺を産んだオヤがそんなこと言うなんて。
ありえへんと思わん?
カラ「____ちゃうちゃう。今はそれを考えとんのとちゃうねん。はぁ……完全に迷子や。もうあかん……怒られてまう__」
ちりん……
鈴の音だろうか。透んだ音が路地に響いた。
はっ、と振り返る。
カラ「あ_______」
黒猫。
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周「あーーーーっ、もう!どこやねんここ!!聞いたことも見たこともないて!!」
周がカラを追って辿り着いたのは入り組んだ繁華街の裏道。
行き止まりだった。この先を進もうにも、自分の倍程の塀を乗り越えていかなければならない。
幸いにも、周は運動神経が良い。足をかける場所があれば最も簡単に登れただろうが、今回の塀はそれがない。
周(詰んだ……)
周「______いやいやいやそんな訳…なぁ??
誰かおるやろ、道を戻れば繁華街に戻れるんやんかぁ________」
ひゅう……と冷たい風が首に巻いているマフラーを解いた。
ここは《《入り組んだ》》繁華街の裏道。
来た道を戻ろうにも、どこだったか覚えていなかった。
周(……………うち、ここでジ・エンドなんかな。もっと色んなことやっとけばよかった。例えば___学校サボるとか。子供だけで肝試しとか。
運命ってザンコク。)
りんっ……
聞きなれない音が耳を掠った。上を見上げた先にいたのは。
銀色の鈴を首から下げた
白猫。
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一時間後…
カラ・周「__________え」
「えぇえええええええぇぇえ!!!???」
続く
今回はカラと周を主役として出しました。
そしてまだ出てきていないのが、少年時代のLOUIS。
彼はいつ現れるのか…
暁前の微光【5話】乞うご期待!!