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はちみつレモン
鑪
zmさんの秘密のお話
夏と言ってもまだ夜は冷え込む頃のお話
zmside
はふっと息を吐けば白い靄が天井まで上がっていく
黄緑色のマグからは甘い匂いが漂っている
「んまぁ...」
最近よく夜中に起きてしまうのでホットミルクを飲んでいる
喉元を通る生暖かい液体が体をじんわりと温めていってくれてとても心地よい
後ろから聞こえる規則正しい相棒の寝息を聞きながらまったりとした時間を過ごしているとあっという間にマグの中身は無くなってしまった
「あ...終わってもうた」
いつもなら中身がなくなる頃には眠気が来ているのだが今日はなぜだかものすごく目が冴えている
橙色にぼんやりと光る電灯を眺めながらどうしようかと考えた
もう一杯ホットミルクを作るのもいいが流石に途中で飽きるだろう
うんうんうなり考えた結果俺はキッチンの戸棚を見て決めることにした
「おぉ、レモンティーとはちみつ」
いつも冷蔵庫しか使わないため戸棚を見るのはロボロくらいだ
もうすでにレモンティーの箱もはちみつ瓶の蓋も空いているので大方ロボロが徹夜するときなどに使っているのだろう
「はちみつレモン...も良いかねぇ」
だが俺はあいにくレシピを知らない
きっとロボロは頭の中に全部入れているからレシピを記した紙もないだろう
だが夜中にスマホを見る気にもなれないので俺は感で作ることにした
「うまく作れりゃええけど...」
試行錯誤を繰り返しついに出来たはちみつレモン1号
マグに注がれた黄金色の液体は蛍光灯に照らされてツヤツヤと輝いていた
早速リビングに移動しクイッとマグを傾ける
てろりとした甘い液体が喉を通り全身に広がっていく
はちみつを邪魔しない程度に感じるレモンの酸味が心地よくあっという間に飲みきってしまった
「ホットミルクよりええやん」
マグに残った匂いを名残惜しく嗅ぎながらキッチンへ向かい後片付けをした
蛍光灯も電灯も消し寝室へと向かうとロボロが寂しそうに俺の枕を抱きながら眠っていた
その様子に自分がどれだけ信用されているのか実感できた気がして嬉しくなった
ふわふわとした髪の毛を優しく撫でベッドに横になり俺は目をつむった
その日の夢は甘く幸せな夢で起きるのが遅れてしまったことは内緒にしておいてほしい
どうも皆さんはじめましての方ははじめまして
私いろりと申します
主にプリ小説というところで活動しておりますがこのサイトにもちょくちょく投稿しようかと思っています
初投稿がこんな短編になってしまっていますがどうぞ温かい目で見守ってやってください
それではありがとうございました
次の小説でお会いしましょう