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2.目覚め
今日も目覚めが悪い。ここのとこ最近、ずっとそうだ。
賃貸のカーテンから漏れる光を受けて、僕ははあっとため息をついた。
四年前に他界した父の遺影。母は幼い頃浮気して、今はもういない。浮気をしてたら、もう目の前からいなくなったほうがマシなんだけど。
僕にはもう、血縁関係がある人はいない。母は生きてるのかどうかわからない。
だから、僕が死んでも、悲しむ人なんて誰一人いない。いるとしたら、誰か死んだら悲しむお人好しぐらいだ。
もう早く死にたい。辛い。辛い。この寿命を、どこかで、寿命が少なくて苦しむ誰かに分け与えたい。
そう思って泣いた。はあ、また泣いた。1人の時はいつもこうで。母が行ってしまったあの日から、もう泣いていない日はどれぐらいあるんだろう。最近、いつ泣かなかったんだろう。
縄で死のうか。ナイフ?飛び降り?人に迷惑はかけたくないし、苦しんで死にたくない。ニュースも暗いものばっかりだし、子供向けの番組ぐらいしか楽しそうなのがない。
子供の頃はよかった。世界がキラキラしてて、何もかも綺麗で美しい。社会の闇なんて、すこしも見えなかった。今はもう、美しいものなんて全然見つからない。社会は闇にどんどん溶け込んで、それと比例して愛しい子供の姿は減っていく。
この社会も僕も、早く死んだほうがいいのかな___
担当:むらさきざくら