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君との思い出についていく 2話ー1
みたらしだんご
定期テストがここ最近あるので投稿が遅くなっています(すみません…m(_ _;)m)
今回も、最後まで読んでいただければ嬉しいです。
--- 2.1月 ---
冬休みもあと1週間を残した今日。やっとこの日がやってきた。今日は穂樹くんと温泉に行く日だ。1泊2日の温泉旅行。
温泉まで紅琳さんの車で向かうことになっている。もちろん、運転するのは紅琳さん。
私は最初、紅琳さんの車で向かうことに反対した。でも、紅琳さんが「いいよ、いいよ」と言うので、結局車で向かうことになった。
紅琳さんとは駅で待ち合わせしている。
カバンに洋服などの必要なものを入れ、家を出る。家を出るときには、母のチェックがしつこかった。
「服入れた?」
「入れたよ」
「歯ブラシとかは?」
「入れた」
「紅琳さんの失礼にならないようにね。あと気をつけて行くのよ」
「分かったって。じゃあ、行くね」
「いってらしゃい」
「いってきまーす」
駅につくと、紅琳さんがいた。やっぱり、紅琳さんは綺麗な人だ。なんでこんなにも綺麗な人が兄を選んだのか、今も不思議でたまらない。
「紅琳さん」
「お!柚ちゃん。久しぶり」
「久しぶりです」
「変わってないね〜」
「はい」
「彼氏くんはまだなの?」
「はい、まだ来てなくて…」
紅琳さんに荷物を入れてもらう。
「柚ちゃん」
「あ、はい」
「この際敬語やめない?」
紅琳さんにそう言われた。確かにタメ口で喋りたい気持ちは十分にある。でも、紅琳さんは年上だ。やはり、ためらってしまう。
「うーん」
「年上とか気にせずにさ」
「わかりました」
言われるがままに敬語は辞めることにした。もしかしたら、時々敬語が出てくるかもしないが。
数分経つと、穂樹くんがやってきた。手を振ると、振り返してくれた。なんだかキュンとしてしまう。
「ごめん、遅くなった」
「全然、大丈夫」
穂樹くんの荷物も紅琳さんに入れてもらった。
「紹介するね。こちらが兄の彼女の藍川紅琳さん」
「あ、どうも。波風穂樹です。よろしくお願いします」
「よろしくー」
2人は握手を交わす。紅琳さんと穂樹くんの身長は同じくらいだ。紅琳さんは女性の中でも高いほうだから、同じくらいになるんだと思う。私は小さい方だけど。
「今思ったけど、椎菜のお兄さんの彼女っていいの?」
「うん、OKもらってるから。お兄ちゃんにも紅琳さんにも」
「全然気にしないでね、穂樹くん」
「紅琳さんに手出したら、お兄ちゃん、穂樹くんのこと殴りに来ちゃうからダメだよ」
「分かってるよ。やるわけないじゃん」
お兄ちゃんには一応OKしてもらっているが渋々だった。最初は「俺も行く!」って聞かなかったけど、紅琳さんに「ダメ!2人を楽しませるのが私の役目。だから、今回はデートとは違うの!」と言われて、OKしてもらった。
私と穂樹くんは紅琳さんの車に乗り込んだ。車の中はいい匂いがした。
穂樹くんが言っていた。温泉までは約30kmほど。その間に昼食を食べることになっている。
「着いたよ〜」
「うん」
車を降りて、店に入る。このお店は海鮮丼のお店だ。店の中には美味しそうな海鮮丼を食べている人がたくさんいた。
メニュー表を開いて、選ぶ。値段はまぁまぁ高いが美味しそうなものばかり。私と穂樹くんはいろんな海鮮が入ってる海鮮丼、紅琳さんはマグロ丼を頼んだ。
料理が来て、真っ先に写真を撮った。海鮮丼には、いくらやマグロ、サーモン、イカ、エビ…などとたくさんの海鮮がご飯の上に乗っていた。
「いただきまーす」
1口目はマグロを食べる。とろけてとても美味しい。
「このお店ね、めっちゃ有名な店なんだよ」
「へぇー、そんなんだ。だからこんなに美味しいんだ」
「よかった。喜んでくれて」
海鮮丼を食べ終わり、ゆったりしていると、穂樹くんがカバンから何か取り出した。
「それ何?」
「薬だよ。飲まなきゃいけなくてさ」
「なんの?」
「えっと…風邪の薬…」
「風邪ひいてるの?」
「ううん、風邪気味なんだ」
「そんなんだ」
穂樹くんは風邪の薬だと言っていたが、薬の数が多かった。あと、何かを隠すかのように言っていた。何を隠しているのだろう?そう思っていたが、そこまで気にしていなかった。
店を出て、車に乗り再出発した。
温泉に着いたのは夕方の17時だった。外は暗くなりかけていた。
「はぁー、やっと着いたー」
「ほんとね。本当ならもう少し早く着けたはずだったんだけどね」
本当ならば、16時くらいに着くはずが、渋滞にあって、随分遅れてしまった。
「まぁ、仕方ないよ。おかげで穂樹くんと仲が深まったし」
「うん。結構楽しかった」
ここの温泉は旅館に付いている。旅館の宿泊料は高いけど、温泉も付いて、朝食、夕食も付いている。だから、だいぶいいところだと思う。
旅館の中に入って、受付をして鍵を受け取る。
私達の部屋は、2階にある。そして、とても広い。
階段で2階まで上り、部屋の鍵を開ける。中に入ると、とても綺麗な部屋だった。
「わぁ、すごい」
「だろ?俺ここに2回くらい来たことがあって、窓からの景色がめっちゃ綺麗なんだよ」
「あ、そうなんだ。誘ってくれてありがとね」
「うん。喜んでくれて嬉しいよ」
窓を開けて写真を撮る。
夕食は19時からでまだ時間があった。だから、3人でトランプをした。紅琳さんが持ってきてくれたトランプで。
19時前になり、夕食を食べる場所に向かう。
「うわー。美味しそう」
「そうだな。全部うまそう」
料理は机に並べられていた。座布団の上に、紅琳さんは私の前に、穂樹くんは私の隣りに座った。
料理はたくさんあり、全部食べられるか少し不安だった。
「紅琳さんはこれ全部食べれるの?」
「こんなの余裕よ。こう見えて大食いなのよ」
「えー!意外…!細いから食事制限してるのかと思った」
「ぜーんぜん、してないよ。そのかわり、食べた分だけ運動してるけどね」
「やっぱ、運動はするんだね」
全部食べられるか不安ではあったが、あまりにも美味しかったため、ぺろりと食べてしまった。
夕食を食べ終えきもちいね、温泉に入った。部屋についてある温泉に入った。
最初は穂樹くんから入ることになった。私はその間、紅琳さんと話をして盛り上がっていた。
「入っていいよ」
声が聞こえる方を向くと、浴衣姿の穂樹くんがいた。
「もういいの?」
「うん、いいよ」
「浴衣似合ってるね」
「あ、ありがとう」
そして、私と紅琳さんで温泉に入った。
「めっちゃ気持ちいいね」
「うん、そうだね~。肌がすべすべになりそう」
「確かに」
温泉から上がり、浴衣に着替えた。穂樹くんがいるところに行くと、穂樹くんは、スマホをいじっていた。
「穂樹くん、どう?」
「か、可愛い…」
「あ、ありがとう…」
穂樹くんは、照れていた。私もだけど。穂樹くんが照れているところなんて初めてみたから、とても嬉しかった。
今日のことを、メモっておく。写真も一緒にしておいた。3人で撮った写真も。穂樹くんの新たな一面も。
「あ、私飲んでくるね、下で」
「あ、うん。分かった」
「2人で楽しんで」
「う、うん」
紅琳さんはそう言って部屋を出た。2人きりなって、私も穂樹くんも照れて何も喋らなかった。
「紅琳さんって何飲むんだろう」
「やっぱ、ビールじゃない?」
「確かに。見た目的にもジョッキに入れたビールを飲んでそう」
「そうだね。私も想像できる」
「椎菜って、紅琳さんと仲いいんだね」
「うーん、仲良しだけど、会ったの今日で2回目だよ」
「に、2回目!?」
「うん、そうだよ」
「へぇー、すごいな。2回しか会ってないのにタメ口って」
「タメ口なのは、紅琳さんから言われたからだよ」
でも、今思えば、1回目会った時なんて、何も喋らなかった。それが今ではタメ口で喋っている。自分でもびっくりしている。
最初に会ったのは、私が高2の時、兄が彼女を家に連れてきたのだ。その彼女が紅琳さんだった。私は人見知りだったため、ずっと黙っていた。
そしたら、紅琳さんが私の存在に気づいて、積極的に話しかけてくれた。私はそれに首を振ったりして答えていた。それが精一杯のコミュニケーションだったから。
最後の方は、少しだけだけど喋ることができた。たった一言だったけど。「バイバイ」と一言だけ。
「そうなんだ。椎菜は人見知りなんだ」
「うん、そうなの」
「なんか意外かも」
そして、たくさん穂樹くんと話をした。穂樹くんの妹と弟の話とか、私の兄の話とかたくさん話し、たくさん知った。
「そろそろ寝る?」
「うん、そうだね。寝よう」
敷いた布団の中に入る。
「じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
寝ようとするが、なかなか寝付けない。少し不安だから寝れないんだと思う。あんな事にならないとうにずっとお願いしている。今日一日中ずっと。
ならないにようにとお願いしていると、いつの間にか眠ってしまった。
最後まで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
最初にも言いましたが、定期テスト等あるため、投稿が遅れています。
それでも、読んでいただけたら嬉しいです。次回も読んでいただければなと思います。