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「久しぶりじゃん、なんで最近来てくれなかったの、」
そう話しかけてくれたのは古着屋の店長の女性。
「え…、覚えててくれたんですか?」
「そりゃ覚えてるよ。君くらいの年齢の子あんま来ないしね」
「っ!ありがとうございます」
いっつもは「みんなと同じ格好で見分けがつかない」なんて言われてるのに。こんなふうに覚えてもらえてて嬉しいな。
「前まで毎月来てくれてたのに最近来ないなぁって思ってたんだよ」
「えっと、ここ3ヶ月ぐらい、毎回休日に友達と遊んでて、それで中々来れなくて」
「ふーん、そうなんだ。じゃ、なんでそんな楽しくなさそーなの?」
「えっ、?」
思わずドキッとする。いつもニコニコな店長が今は、私の腹の中を探るような、そんな目で見てくる。
「普段の君より疲れた顔してる」
「えっと、その…」
どうしよう、なんて言おうとぐるぐる考えて居ると
「ま、別に言わなくても良いけどね」
そう言い、普段のニコニコな店長に戻った。
「あ、そうだ。君が今度来たら誘おうと思ってたんだけどさ」
そう言い、店長は私にスマホを向ける
「ここ、あたしの友達がやってる古着屋なんだけど、君の趣味に合いそうだなぁって。だから、良かったら一緒に行かない?」
「あっ!ここ行きたかったとこです!だけど、1人で入るの苦手で行けてなかったので、一緒に行きたいです!」
「ホント?じゃあ、行こ。今度いつ空いてんの?」
「えっと…今のところ再来週の土曜日なら1日中空いてます」
「おっけー、じゃあ、再来週の土曜の11時ね」