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そだちラブリー
「急に電話をかけてこないでくれないかしら。アポイントメントはどうしたの? 馴れ馴れしいにも程がある。本当に常識が足りないわね、阿良々木。死んでくれないかしら」
「腐れ縁の幼馴染から久しぶりの電話だって言うのに、相変わらず辛辣だな。老倉」
「いいえ、やっぱり死なずに拷問されてほしいわね。お前との縁なんてそのまま腐れ落ちて千切れればいいのに」
「まあまあ、ツンデレもほどほどにしてさ」
「殺すわよ。最近、原作の方で私をラブリーだのなんだの、胸糞悪い呼び方で呼んでいることを、私は知っているわ」
「そんな、しれっと僕が語り部の回を全部チェックしているアピールをされても、何も出ねえよ? 全く、上手だなあ、ラブリー老倉ってば」
「死ね。嫌いと嫌いが嫌いで嫌いの嫌いへ嫌いな嫌いは嫌いを嫌い」
「とにかくさ、最近、お前と話せてなかったからさ、元気してるかなーと思って電話をかけた次第なんだけれど、いやあ元気そうでよかったよ」
「お前に心配されるなんて世も末ね」
「だってお前、気がついたら死んでそうなんだもん」
「死ぬか。お前が惨めに死ぬ姿をこの目で見てそれを撮影して全世界にばら撒くまで、私は死なないわ」
「そりゃあ結構なこった」
「別に、やっと自立できたことだし、仕事もあるんだからありがたく元気にやらせてもらってるわよ。そういうお前は何? やっと路地裏に住み始めたの? おめでとう、心の底から祝福するわ」
「ほんとに嬉しそうに祝うんじゃねえ。いや、僕はまだ実家住まいだよ。一人暮らしをするメリットが見つからなくてな」
「はっ! 実家に寄生虫とか、親が泣いてるわよ」
「それはその通りだな。まあ、返しきれてない恩はぼちぼち返していくよ」
「ふうん。まあ、私の知るところではないわね。私の望みはお前が無様に野垂れ死ぬことよ」
「最後まで辛辣……」
「阿良々木、そろそろお前の舌を切っていいかしら? 間違えた、この電話を切っていいかしら? 私もそんな暇じゃないのよ。今日はたまたま手が空いていたから、そしてどんなにスルーしても呼び出し音が止まなかったから、仕方なく電話に出てやったけれど」
「ああ、悪いな。急に電話して」
「謝るくらいなら死になさい」
「じゃあまたな、老倉」
「ええ、お前とはもう二度と喋りたくないわ」