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リカの探検日記
こんにちは!私、リカ。14歳。
私たちは、この世界ではすーっごく、珍しい小人なんだ。
ここは、小人たちの住む、休息の村・リリー。
周りにたくさん生えている、私たちの何十倍もある『ユリ』っていう花が由来なんだって。
この村があるのは、獰猛な動物たちばかりがいる森林。
だから、そこにあるこの村だけが安全に休める場所はここだけなんだ。
人間がここで休めるように人間用の宿も作ったらしいんだけど、
(私たち一般市民は入れないの!)
そんな場所だからかほとんど人間たちも近寄らなくて、
人間に会うことなんて全くないんだ。私も、会ったことないんだよね。
小人たちには、暗黙のルールが2つある。
ひとつめ、15になるまで村からは絶対に出ないこと。
ふたつめ、人間とは絶対敵対しないこと!
昔、人間とは敵対してて大変だったんだって。
だから、人間とは友好関係を結ぶ!って、長老が心に決めたみたい。
まぁ、そんなの昔のことだから、人間は小人とのことなんてすっかり忘れて、おとぎ話の中の存在になってるみたいだけど…
だけど、そんなの関係ない!重要なのはひとつめ!
私は、明日で15歳。
だから、明日この村から出ることができるんだ!
見たことない、人間たち。人間たちが食べてる、お話でしか聞いたことないでっかいお菓子!
人間の世界に行って、やりたいことはたくさんあるんだ!
そんなことを考えながら出発する準備を整えてると、もう夜。
明日村の外を出て、見るであろう人間たちの世界を想像しながらゆっくりと眠りについた。
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「じゃあ、いってきまーす!」
涙ぐむお母さんと笑顔で手を振るお父さん、そして村長に別れを告げて村を出た。
初めての村の外は、空が見えないくらい大きな草や木でいっぱい!
どうしても人間たちが住む『都会』に行きたくて、
外に向けて歩いて休んで歩いてを繰り返してどんどん進んだ。
村を出て5日目。
毎日毎日懲りずに歩いたら、なんだか広い場所へ出ました!
そこは、でっかい建物がたくさん!
それに、ここは物語で見た『都会』にそっくり。
もしかして、ここがそうなのかな!?
それも、ここには人間がたっくさんいるの!
私の何百倍も大きくて、いろんな顔や服、髪型で面白い!
私たち小人と見た目はあまり変わんないけど、大きさが変わるだけでこんなに面白いんだ!
私はテンションが上がって、人間に見つからないようにひっそりと走り回った。
私は、大きな建物にこっそり人間たちに紛れて侵入する。
そのお店の前では、人間たちの言葉で『けーきや みるてぃ』って書かれていた。
多分、このお店の名前かな?
「あ、ごめん。ちょっとお手洗い行ってくるね」
色々と考えてるうちに、テーブルに座っていた女の人が立ち、お店の奥へと行く。
女の人と一緒に来てた女の人は、なにやら板をいじってる!?
人間って板をいじるんだ!初めて知ったな…
私はテーブルの脚を登って、テーブルの上へとたどり着いた。
目の前には、女の人たちのケーキ!
とっても大きくて可愛らしいケーキを目の前にした私は、ついついクリームを手でとってなめる。
「あっまーい!」
あ、ついつい言葉になっちゃった。
口に入れたクリームはとっても甘くてひやっとしてて、すごく美味しい!
一口食べたらもっと食べたくなった私は、思わず今度は生地も一緒にぱくり。
「んん〜♡」
やっぱりケーキってたまらないよね!何度でも食べたくなっちゃう。
ケーキのスポンジはふわっふわで、
まるで大きなベットみたい。
クリームがなければ、ケーキの上に乗っかってみたいんだけどなー。
クリームが服についてベットベトになっちゃう。
私はやがて満足して、お店から出た。
「あれ?私、ケーキを一口も食べてなかった気がするんだけれど…」
「おいしそうだから無意識に食べたんじゃない?」
背後に、女の人たちの話し声が聞こえる。
女の人には申し訳ないけど、ごちそうさまでした!美味しかったです!!
お店を出ると、目の前におっきなもっふもふの動物が!!
(うわあっ、大きい!!)
その動物は人間の半分くらいの大きさだけれど、私達小人にとってはびっくりするくらい大きかった。
(も、もしや…)
これが、“わんちゃん”とやらではっ!?
私は足を曲げて精一杯力を溜めた後、
できる限り高くジャンプし、わんちゃんの背中へ飛び乗った。
「わあっ!!」
わんちゃんの背中はもっふもふの茶色い毛でいっぱいで、とっても心地が良かった。
私が飛び乗ったせいで重くないかな?と心配になったけれど、
わんちゃんは何でもないといった顔。
私の重さじゃ何も感じないみたい?
わんちゃんの毛につかまってバランスをとると、何かのアトラクションに乗ってるみたい。
私は心地の良いわんちゃんの背中ですっかり眠くなってしまい、
寝ないようにガックンガックンとなりながら耐えたが、
結局は誘惑に負けて寝てしまった。
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目を開けると、そこは見覚えのない場所。
わんちゃんがここまで連れてきてくれたのか、わんちゃんが隣で寝ている。
周りを見渡すと、大きな机や本棚、中にはピアノなんかも。
ここ、もしかして人間のおうち?
そう思った途端好奇心に駆られ、私は人間のおうちを探検することにした。
久しぶりの投稿ですね!!
これはリクエストされたものなんですが、
執筆に時間がかかってしまい上げるのが遅くなってしまいました。
リクエストしてくださった方、ここを見てるかわかりませんが申し訳ないです!
切るところを迷いに迷ってここで切りましたが、
なんだか切りが悪いのでこれの続編を出すかもしれないですね笑
ここまで読んでくださりありがとうございました!