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1m。
君は今日も|綺麗《きれい》だ。
あの日空き教室で泣いていたときも部活で汗を流しているときも。
──── そうだ。僕は恋をしているのだ。
「ねぇ|阿妻《あづま》くん。」
「──え。」
いちいち長い|睫毛《まつげ》に驚く。
「ど、どうしたの。」
一言発するだけで手に汗が|滲《にじ》む。
「急にごめんね。えっと、あのさ、私の名前って覚えてるかな?」
「も、|勿論《もちろん》!覚えてるよ、同じクラスだし。|天谷《あまがい》さんだよね。」
君は僕を見つめていた目を|逸《そ》らして、
「私の、名前は?」
「え」
天谷さんの顔は髪に隠れてよく見えない。
「あのさ、私のこと名前で呼んでほしいなぁって、思って。」
「えっと....|秋那《あきな》さんだよね....?」
君の目線は僕の目に止まった。その瞬間君の顔が赤らんでいることに気がついた。
君───|天谷秋那《あまがいあきな》は、ありがと、と一言言ってその場を立ち去って行った。
───これ、脈アリじゃね?