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3話
「なっ、なななな、なんで居るの!?」
「俺だって、んなこたァ知らねェよ!」
「取り敢えずね?」
「嗚呼」
喧嘩が勃発しそうな雰囲気を破って、一旦冷静になった私達は
「「消太さ〜ん!/香山さん」」
それぞれ親を呼びました。
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「そんな事あるのね…」
「吃驚だよね、中也に会うなんて!」
「話の通りだな…」
「俺の事まで話したのかよ、#名前#」
じとりと此方を睨むように見てくる中也。
その視線を避けたくて、俯きがちになって云う。
「…あん時はあん時よ」
「ま、別に良いけどな。俺も話したし」
「……ん?」
「俺も話したって」
「クソかよ死ね」
「は?」
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「とりあえず、どれだけ学力があるか確かめましょうか」
香山さんが提案した。
「何が出来る」
何が出来るかって?
「足し算、引き算、掛け算、割り算」
「読む、書く……?」
他に何が出来るのか……?
「あとは、アルファベット読める、ローマ字打てるくらい?」
「そんなもんじゃねェのか?」
消太さんと香山さんは顔を見合わせたあと、テスト用紙を持って来た。
「一応、小学校一年生から中三までの範囲を持って来たわ」
「何が苦手か分からんからな」
私たちナメられてます?
「余裕じゃね?」
「知らんわ」
二人で相談しながらテストをする事になりました。
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一年生
「1+1=……って、何じゃこりゃ」
簡単な数字の羅列。
「漢字とかも初歩的だな」
「一年生だもん」
CLEAR!
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二年生
「掛け算出て来た」
「漢字の画数多くなったな」
「未だいける」
CLEAR!
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三年生
「一桁の割り算だと…」
「あまりが出る奴もあるだろ」
「うわ、社会と理科だ」
「げ」
CLEAR…?
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四年生
「足し算とか掛け算とか入り混じってる」
「顕微鏡って何だ……?」
「“この海の名前は?” 海に名前なんてあんの?」
「漢字はいけるわ」
CLEAR…?
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五年生
「何も分からん」
「ガスコンロって、今どきIHだろ……」
「あ゛〜っ!」
「漢字しか分からねェ」
「それはそう」
CLEAR…?
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六年生
「無理ゲーだろ此れ」
「漢字……」
「わぁぁぁぁぁ……」
CLEAR…?
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中一
「方程式って?」
「理科ムズ……」
「漢字分からん」
CLEAR…?
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中二
「二元一次方程式? 一次関数?」
「天保の飢饉ってなんだよ……」
「薩摩……芋?」
「葉緑体とは」
「漢字…」
「も、むり…」
「リタイア〜」
RETIRE
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答え合わせに入った親二人だが、テストの学年が上がるにつれ苦い顔になっていく。
「うん。基礎から学び直しましょうか」
「丁度年齢もいいしな」
「学校に通うより、ここで教える方が合理的だ」
「担当教科の先生もいるしね! 空いてる時にそれぞれやりましょうか」
一年生から学び直しと言われました。
「__複雑……__」
「__な__」
二人とも、一年生から頑張ろうね!