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惚れ薬飲んじゃった潔に付き纏われる玲王の話 4
※潔が惚れ薬飲んでる
※♡多め
※千切と凪が出でくる(話すだけ)
※若干凪潔
※ 展開が雑&文章が下手
寝るときも当然のように、潔は一緒のベッドに潜り込んできた。
「えへへ♡玲王と寝れるの嬉しい♡♡♡」
無邪気に笑いつつ、布団の中で玲王の背中にぴっとり♡とくっつき、するり♡と玲王の脚に己の脚を絡ませて、「寝ている間も離れないように」と言わんばかりに密着する。
「おやすみ♡玲王♡」
「………おやすみ、潔」
起きる頃には惚れ薬の効果が抜け、普段の潔に戻ってる、はず。
そう思うとほっとする気持ちと、それを少し残念に思う気持ちが混ざり、モヤモヤして中々寝付けなかった。
………
「なぁ、潔、俺のこと好きって言って」
嘘でもいいから。
潔にも辛うじて聞こえるかどうかの、一人言のような小声で玲王はぽつりと呟く。
「んぅ………?玲王?♡」
眠りかけだったのか、目を擦りながらふにゃふにゃの声で潔が応える。
「?ずっと言ってんじゃん♡
玲王のこと大好き♡1番好き♡
世界で1番、誰よりも、大大だぁーいすき♡♡♡」
恋人に愛を囁くよう、玲王にだけ聞こえるくらいの大きさで、熱の籠った甘い声でぽそぽそと愛の言葉を紡いでいく。
「俺も」と口から出そうになる言葉をぐっと飲み込む。
だってこれは潔の本当の意思じゃない。
薬による紛い物。
「だから、俺のことだけ見て♡」
他の奴の方ばかり見ているのは潔の方だ。
俺はこんなにも潔のことしか見ていないのに。
「俺のことだけ考えて♡」
嫉妬なんて何度もしてきた。
凪に、凛に、黒名に、カイザーに、
他にももっと。
潔はすぐに、人を惹きつけてしまうから。
「俺だけのものになって♡♡♡」
諦めるのは簡単な話だ。
だって簡単なものはすぐに手に入る。だから唯一無二な宝物が欲しかった。
俺は御曹司で
みんなと違う
簡単なものはすぐに手に入るけど潔だけは薬の力を借りないで自分で手に入れたい。
「大好きだよ、玲王♡
青い監獄ここで玲王に逢えて、本当に良かった。俺にとって玲王が唯一無二の存在だよ♡」
それなのに、
今の潔は俺のことだけ見て、考えて、
俺にだけ笑いかけて、
俺の欲しい言葉をくれる。
ずっと俺の側にいてくれる。
「………もう、大丈夫だ。」
「?おう♡こんなんで良いなら、いつでも言えよ♡
俺、玲王のこと大好きだから♡♡♡」
「ん、サンキューな潔。おやすみ。」
「ん♡おやすみ♡♡♡」
少しすると、すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえてきた。
明日薬が切れて、目が覚めたら、きっと簡単に俺から離れていってしまう。
今日のことを覚えていても覚えていなくても、みんなに向けるのと同じ笑顔で「悪かったな」って、なんてことないように。
きっと、「別にいいぞ」って、潔が気にしなくていいように、笑って、ちょっと戯けて、いつも通りにするのが正しいのだろう。
頭では十分わかってる。
今まで何度もそうしてきた。
なのに、
……………嫌だ。
「こんなの知ったら、もう諦められないだろ………」
狭苦しいベッドの上で独り、消え入りそうな声で呟いた。
潔の方を向き、寝ている潔の髪を優しく撫でる。
すると潔は眠ったまま、気持ちよさそうにふにゃりと笑った。
いい夢でも見ているのだろうか。
どんな夢?
なにしてる?
誰といる?
…………そこに、俺はいるのか?