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教師と生徒。
私は|網谷《あみや》 |佳流《かる》。
高校の教師をしている。
突然だが私には好きな人がいる。
彼の名前は|三賀《さんが》 |晴嬉《はるき》。
三賀はこの学校の生徒会長。
そう。私は生徒に恋をしている。
決して望んでそうなったわけではない。
気持ちに嘘はつけなかった。
今は放課後。
職員室へ向かっている。
すると、なにやら三賀の声が聞こえた気がした。
最初は気のせいだと思ったのだが、女の子の声も聞こえてくる。
まさか三賀は彼女がいるのか…?
声をたどり、歩みを進める。
すると三賀と1人の女の子が向かい合って立っているのが見えた。
まだ距離があるので目を凝らして見てみると、三賀が顔を真っ赤にしているのが分かった。
すると、
「俺…君のことが好きだ」
と聞こえてきた。
好きな人の告白を目撃してしまった。
私はとっさに声を出していた。
「さんがぁぁぁ!」
「はっはい!なっなんでしょう!」
彼の声は一瞬裏返ったように思えた。
「おっいたいた探したんだよ」
ほんとは女の子の返事を聞きたくなかっただけだ。
「用がある。職員室これるか?」
「あっはい。いけます」
教師と生徒。どうにもなれないのに、
好きな人の恋すら応援できない。
私は何がしたいんだろう。