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ライオンくんの気持ち
森の奥深く、小さくて優しい心を持つうさぎちゃんが住んでいました。ある日、大好きなライオンくんが元気がないのを見て、うさぎちゃんは心配します。ライオンくんは「大切な何かが足りないような気持ち」だと打ち明けました。
うさぎちゃんはライオンくんを元気づけようと、おいしい木の実を集めたり、やわらかな葉っぱのベッドを作ったりと、そっと寄り添いました。ライオンくんはうさぎちゃんの優しさに触れるたび、心が温かくなるのを感じます。
それから、二人は以前にも増して一緒に過ごす時間が増え、ゆっくりと心が近づいていきました。
ある晴れた午後、ライオンくんはうさぎちゃんを森の奥にあるお気に入りの場所でのピクニックに誘いました。彩り豊かなサンドイッチとジュースを広げ、二人は並んで座ります。
しばらくして、ライオンくんは緊張した面持ちでうさぎちゃんの手を握りました。「うさぎちゃん、僕⋯君が大好きなんだ ずっと一緒にいてくれる⋯?」
ライオンくんのまっすぐな言葉に、うさぎちゃんの瞳からは喜びのなみだがこぼれ落ちました。頬を赤く染めながら、うさぎちゃんははっきりと答えました。「私も、ライオンくんが大好き!ずっと、ずっと一緒にいたい!」二人は、木漏れ日の下、そっと抱きしめ合いました。
その日以来、森の動物たちは、うさぎちゃんとライオンくんがいつも一緒にいるのを見かけるようになりました。二人は手を取り合い、森の中を散策したり、静かに寄り添ったり。彼らの間には、言葉にはできないほどの深い信頼と愛情が育まれていました。
森の動物たちは、うさぎちゃんとライオンくんの関係を見て、本当に大切なものは、飾らない優しさや、互いを思いやる心なのだということを改めて知ったのでした。うさぎちゃんとライオンくんの絆は、森の木々のように深く根を張り、永遠に色鮮やかなものとなっていったのです。
ライオンくん 気持ちが言えてよかったね