公開中
四季折々・推理小説部 #5
__「その依頼、受けるわ! この推理部、もとい推理小説部が解決して見せます!」
かくして、推理小説部、通称推理部は料理部からの依頼を受けることになる。
「まずは、詳しい話を聞かせてちょうだい。橅木さんと五十瀬さんが先生を呼びに行っていたとき、2人はどうしてたの?」
秋音がそう話を振ると、おずおずと美風が手を挙げた。
「わたしと快人は、そのまま調理室で先輩方を待っていました」
「はいっす。特に変わった様子は、なかったですけど……」
「《《窓は開いていた?》》」
「「あ……はい」」
秋音の眼光が段々鋭くなっていく。春汰が耐えきれず吹き出した。
「ふはっ、部長、目ェキマっちゃってますよ……怖がられてますって」
「えぇ? そう? 自覚ないんだけど……」
「秋音アキネーターは眼光鋭いもんね、もうみんな慣れたけど」
首を傾げる秋音に、つられた冬希がそうこぼす。
「“秋音”“アキネ”ーター……? っふふ、面白い……」
夏葉もツボに入ってしまい、現場はカオス。
詩音はこの部に依頼したのは間違いだったかもしれないと思い始めていた。
「もう! はあ……なんかごめんなさい、うちの部の恥が露見してしまったわね」
「いえ……別に、うん、仲がいいのは良いことよ」
しどろもどろになる詩音。
「まあ、謎は解けかかっているわ。リーチ、よ」
「……えっ?」
突然の発言に、快人はつい大きな声が出てしまう。
「大方、カラスに盗られでもしたんじゃない?」
困惑している料理部の面々に、秋音は平然と答える。
「まあね、でも確証がほしいかな。橅木さん、明日の部活、見学させてもらってもいい?」
「えぇ……いいわよ」
詩音もまだ状況がイマイチ飲み込めていないが、早期解決できるならそれが一番である。
拒否する理由はなかった。
「よし、それじゃあそういうことで。今日は解散ね!」