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バッドエンドは繰り返す。
月夜 流羽
ちゃっぴーさんにお題出して書いて貰った文章を手直しして上げてます。自分の文じゃないです。設定は自分で付けました。
大丈夫な方はどうぞ。
かつて「氷の公爵令嬢」と呼ばれた私、エルゼ・フォン・シュタン。
私は陛下を愛するあまり、陛下に想いを寄せた聖女である妹、リリアを虐げた「悪役」。嫉妬に狂い、彼女に毒を盛り、階段から突き落とそうとした……ということになっています。
しかし、真実は違います。
「ねえ、お姉様。そんなに悲しい顔をしないで?だって、これはお姉様自身が招いた結果なのよ。」
冷たい地下牢。鉄格子の向こうで、純白のドレスを纏ったリリアが、私の夫であったクロード様の腕に抱かれ、勝ち誇った笑みを浮かべていた。
彼女こそが、自作自演で毒を飲み、私の侍女を脅して偽証させた張本人。彼女は「悲劇のヒロイン」を演じることで、陛下の庇護欲を煽り、邪魔な正妃である私を排除したのです。
「愛していたのに…エルゼ、君には失望した。リリアの清らかな心を傷つけた罪、その命で償ってもらう。」
かつて私を愛すと誓った陛下の瞳には、もはや軽蔑の色しかない。彼はリリアが差し出した、毒入りのワイングラスを慈しむように見つめていた。
「陛下……どうか、その女に、リリア・フォン・シュタンに騙されないで……っ」
私の枯れた声は届かない。リリアは陛下の耳元で甘く囁いた。
「陛下、お姉様は最期まで私を悪者にしたいようですわ。可哀想に……早く楽にしてあげて?」
陛下の手によって、私の口に毒杯が押し当てられる。喉を焼く痛みの中、視界が薄れていく。目に映ったのは、私が愛した人の腕の中で、天使のような顔で勝ち誇ったように笑いながら舌を出す「真の悪女」の姿。
私の地位も、名誉も、愛する人も。すべてを奪われたまま、私は歴史に名を残す「希代の悪女」として、泥の中で息絶えるのです。
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最期の瞬間、喉を焼く毒の苦しみの中で、私は陛下の瞳を見つめた。
そこにあるのは、正義を成し遂げたという歪んだ充足感と、私への冷酷な蔑みだけ。
「……あ、あぁ……」
私の口から溢れたのは、言葉にならない血の塊。
その時、リリアが私の耳元に顔を寄せ、陛下には聞こえない、地を這うような低い声で囁きました。
「今までお疲れ様、お姉様。あなたが大切に育てた陛下との『愛』が、あなたを殺す毒になるなんて……ほんと、最高に愉快だわ。」
彼女の瞳に宿る、底知れない愉悦。
私は必死に陛下の衣を掴もうとしたが、力尽きた指先は空を切り、冷たい石畳に落ちた。
その直後。地下牢の重い扉が開き、血相を変えた騎士団長が飛び込んできた。
「陛下! 止めてください! 聖女リリアが他国の闇商人と通じ、陛下に毒を盛る準備を進めていた証拠が見つかりました! エルゼ様が隠されていた告発書は真実だったのです!」
地下牢を静寂が支配した。
陛下の顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。
「……リリア、それは……どういうことだ?」
震える陛下の問いに、リリアはさっきまでの邪悪な笑みを瞬時に消し、震える肩を抱いて泣き真似を始めた。
「ひどい……! 陛下、信じてくださいっ!お姉様が最期に私を陥れようとして……っ」
「いいえ、リリア様。あなたの寝所にあった暗号文、そして工作員との密会記録……すべて揃っております。エルゼ様は、ご自身の命を賭けて陛下を守ろうと……」
騎士団長の言葉が終わる前に、陛下は手にした空のグラスを落とした。
カシャーン、という乾いた音が、静寂の中に響き渡る。
「エルゼ……? 目を開けろ。嘘だろう、私は……私は何を……」
陛下が膝をつき、泥と血に汚れた私の体を抱き寄せる。
その手は激しく震え、私の頬を撫でる指先からは、かつて私を愛していた頃のような温もりが伝わってきた。
けれど、もう遅いのです。
私の視界はすでに真っ暗で、己の心臓の音も遠のいていく。
陛下がどれほど絶叫し、私の名を呼んでも。
あざ笑うリリアが騎士たちに取り押さえられる光景も、今の私にはどうでもいいこと。
最後に聞こえたのは、愛した人の、すべてを失った絶望の嗚咽でした。
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エルゼが息絶えたその瞬間から、帝国の時計は狂い始めた。
--- クロード 終わらない追葬 ---
エルゼを、愛する妻を自らの手で殺めたあの日から、彼は正気を失った。
国を揺るがす事件を起こしたリリアを即座に処刑せず、魔力を封じる鎖で地下牢に繋ぎ、毎日エルゼと同じ毒を少しずつ与えるという、冷酷な復讐に没頭した。
「エルゼ、今日は君が好きだった白薔薇を持ってきたよ。綺麗だろう?」
彼はエルゼの亡骸を魔術で腐敗から守り、まるで生きているかのように寝室に安置した。国政は放置され、かつての賢帝は影も形もない。
夜な夜な、物言わぬエルゼの亡骸に向かって語りかけ、彼女が残した「陛下を守るための証拠」を、血を流すほど握りしめて泣き崩れる。
彼にとっての最大の罰は、死ぬことすら許されないことだ。エルゼが命を賭して守ったこの国と自分の命を、自ら絶つことは彼女へのさらなる裏切りになる。一度でも愛する者を疑い、耳を傾ける事なく約束を違えた裏切りは重い罪だと。罪を償うには命を絶ってはならぬと。
彼は、愛した人を自ら殺したという消えない記憶を抱えたまま、死ぬまで孤独な玉座に縛り付けられることになった。
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--- リリア 計算違いの果て ---
地下牢の冷たい床で、彼女は毒に侵された体を引きずりながら、忌々しげに吐き捨てた。
(……ちっ、あの女。死ぬ間際まで余計な真似を。)
彼女にとって、エルゼは単なる「|攻略対象《陛下》を手に入れるための障害」でしかなかった。
善人のふりをして周囲を操り、エルゼを悪女に仕立て上げるゲーム。その最高潮で、エルゼが自分の命を捨ててまで「証拠」を騎士団長に託していたのは、リリアの計算外であった。
(あはは、笑える。陛下ったら、私がちょっと唆したら簡単に騙されて、あんなに愛していたお姉様を自分の手で殺しちゃって。今のあの壊れた顔、お姉様に見せてあげたかったわ!)
鎖に繋がれ、毒に焼かれる苦しみの中でも、彼女の心は歪んだ優越感に満ちていた。
自分は破滅した。未来などない。けれど、エルゼが愛した陛下を精神的に完全に破壊し、二人の愛を永遠に修復不可能な「地獄」に変えたのは自分だ。
「ねえ、陛下? 私を殺しても、お姉様は戻ってこないわ。あなたが彼女の喉に毒を流し込んだ、あの感触……一生忘れないでね?」
狂ったように笑う彼女の声が、誰も救われない帝国の夜に響き渡った。
誰も幸せにならない救えない感じ結構好きです。
人間って死に際、五感の中で最後まで残るのって聴力らしいんです。だから、そんなような描写を少し加えてみました。
AIの文章力凄くて結構びっくりです。どんな文豪ですかちゃっぴーさん。手直しというか統一感的なところとか細かい表現は結構変えたところも多いですけど、大まかな流れとかセリフ系はほぼ変えてないので凄く凄いです。(語彙力)