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園芸委員の野薔薇さん
あかいろのばらが高校生ほどになった世界線です。
需要ありますって言われたので…
#一人称#は#苗字##名前#、普通の高校2年生だ。
そんな#一人称#は今、とある人を気にしている。
野薔薇、という少し変わった名前。彼女は施設出身で、紅呂と月花というふたつの苗字を持っている。なんでも、同級生の紫桜と四葉、紅葉と何やらしているらしい。#一人称#は別にやるほどの勇気を持ち合わせていない。
「行くのじゃ、#苗字#さん」
「あ、はい…」
野薔薇さんと#一人称#は、同じ園芸委員だ。#一人称#はホースで花壇に水をやる。
「これは四葉が適任なんじゃろうけど…あいつはこんな地味なの似合わないからの」
不思議な喋り方だ。ふたりきりなのは緊張するが、彼女は別に#一人称#を恋愛対象とみていない。
「どうしたのじゃ、ぼーっとしてて」
「あ、いえ、なんでもありません」
そう言って、また蛇口をひねる。ホースから水が出てくるのを待つ間、#一人称#は空を見上げていた。
ぼーっとしたひととき。最高だと思いにふけっていると、「#苗字#さん!」という野薔薇さんの声が聞こえた。
「はいっ…?」
「水が出てるのじゃっ、大丈夫か!?」
蛇口とホースの間から、水が漏れ出している。
「うわっ!?すすすみませんっ」
急いで蛇口を反対にひねり、水をとめてホースをきちんとはめ込む。
野薔薇さんはすっかりびしょびしょになっていた。
「大丈夫か?」
「いえ、大丈夫ですけど…着替えてきたらどうですか?」
不透明になった制服。腕とかが透けて、ぴったり張り付いている。
「うわ…恥ずかしいのじゃ、ちょっと着替えてくる」
そう言って、野薔薇さんはいってしまった。
#一人称#のせいで、迷惑をかけてしまったな…
しばらくして、野薔薇さんは戻ってきた。貴重な休み時間を無駄にさせたと思うと、本当に申し訳ない気持ちになる。
「だ、大丈夫ですか?」
ジャージ姿になって戻ってきた野薔薇さんに、声をかける。
「大丈夫じゃ」
そう言って、野薔薇さんは靴を半脱ぎにして、かかとを踏んだ。もう行くらしい。
「あ、あの」
「何じゃ?」
「えーと…」
何度も何度も、心の中で繰り返す。
なんで言う気になったのか、#一人称#でもわからない。
「#告白の言葉#」
「…嬉しいのじゃ」
「本当ですか?ありがとうございます」
「なら、もう敬語はよすのじゃ」
そう言って、野薔薇さんは飄々と下駄箱へ向かった。
うーん…許してくださいこのクオリティ。