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月からきたおひめさま
「ひめちゃん!おはよー!」
朝、教室に入ると、さくらが手を振っていた。
「さくらちゃーん!おはようっ!」
かぐやひめはにこにこしながら、さくらの席へ向かった。
「ねえねえ、ひめちゃん!今日、転校生が来るんだって!」
「えっ!転校生!?...ってなに(小声)」
「そうそう!しかも男の子らしいよ!」
「え!そうなの?」
かぐやひめは目をぱちぱちさせた。
そのとき。
ガラガラッ。
教室の扉が開いた。
「みんな、席についてね。今日は新しいお友達を紹介します」
先生の後ろから、一人の男の子が入ってきた。
少し長めの黒髪に、優しそうな目。
「自己紹介してくれるかな?」
「……朝倉 輝(あさくら てる)です。よろしくお願いします」
落ち着いた声でそう言うと、男の子は軽く頭を下げた。
「じゃあ、輝くんの席は……ひめさんの隣ね」
「はい」
男の子がこちらへ歩いてくる。
ひめは男の子を見た。
「よっよろしくおねがいします...」
「うん。よろしく」
その瞬間、ひめはなぜか少しだけ胸がどきっとした。
(……あれ?)
***
休み時間。
「ねえ、ひめさん」
隣から声がした。
「はっはいい!!」
「これ、落としたよ」
輝が差し出したのは、ひめの筆箱だった。
「あっありがとう...」
「どういたしまして」
輝は小さく笑った。
ひめはその笑顔を見て、思わず見つめてしまった。
「……?」
「ひめさん?」
「えっ!?あっ、なんでもないよっ!」
ひめは慌てて目をそらした。
(なんだろう……なんだか、顔が熱いような……)
***
お昼休み。
「ひめちゃん、さっきからどうしたの?」
さくらが不思議そうに顔をのぞき込んできた。
「へ?な、何が?」
「輝くんのこと、ずっと見てなかった?」
「ええっ!?見てないよぉ!」
ひめはぷくっと頬を膨らませた。
「ほんとかな〜?」
「ほんとだもんっ!」
さくらはくすくす笑った。
「もしかして、好きになっちゃった?」
「す、好き!?」
ひめの顔が一気に赤くなった。
「ち、違うよっ!まだ会ったばかりだもん!」
「まだってことは、これからはあるの?」
「もぉ〜!さくらちゃんのいじわる!」
ひめは顔を隠した。
けれど、心のどこかでは、さっきの笑顔がずっと気になっていた。
***
放課後。
帰り支度をしていると、湊が声をかけてきた。
「ひめさん、一緒に帰らない?」
「はあ……?!」
ひめは目を丸くした。
「い、いいの?」
「うん。帰る方向、同じみたいだから」
「うん。一緒に帰ろ...」
ひめは恥ずかしそうに笑った。
その笑顔を見て、輝も少しだけ微笑んだ。
帰り道。
二人の間には、まだ少しだけぎこちない空気が流れていた。
けれど、ひめは思っていた。
(明日も、輝くんとお話しできるかな……)
それが恋だと気づくには、ひめにはまだ少し時間が必要だった。
「……輝くん」
朝、学校へ向かう途中。
ひめは昨日のことを思い出していた。
一緒に帰ったときのこと。 優しく笑ってくれたこと。 そして、別れ際に言ってくれた言葉。
『また明日ね』
たったそれだけなのに、どうしてこんなに嬉しいんだろう。
「えへへ……」
ひめは思わず笑ってしまった。
***
「ひめちゃん、おはよー!」
教室に入ると、さくらが手を振っていた。
「さくらちゃん、おはよっ!」
「ねえねえ、昨日どうだったの?」
「えっ?」
「輝くんと一緒に帰ったんでしょ?」
「なんでしってるのっ……!」
ひめの頬がほんのり赤くなる。
「まあ、いろいろね。それで?」
「えっとね……すごく楽しかった...かも」
「ふふっ。ひめちゃん、もしかして輝くんのこと好き?」
「す、好き!?」
ひめは目を丸くした。
「そ、そんなことないよっ!」
「じゃあ、輝くんがほかの女の子と仲良くしてても平気?」
「えっ……?」
ひめは少し考えた。
輝くんがほかの女の子と楽しそうに話しているところを想像する。
……なんだか、胸がもやもやする。
「……やだ...かも」
「ええっ!?」
さくらが目を輝かせた。
「それって好きってことじゃない!?」
「そ、そうなのかなぁ……?」
ひめは両手で頬を押さえた。
***
そのとき。
「ひめさん」
後ろから声がした。
振り返ると、湊が立っていた。
「わっ!おっおはよっ」
「おはよう。これ、昨日言ってた本」
輝は一冊の本を差し出した。
「あっ!覚えててくれたの!?」
「うん。面白いって言ってたから」
「ありがとうっ!大切に読むねっ!」
ひめは本を両手で受け取った。
「そんなに喜んでもらえると、貸したかいがあるよ」
輝は少し照れたように笑った。
ひめの心臓が、どきんと鳴った。
(……やっぱり、なんだか変)
***
放課後。
ひめが靴箱で靴を履き替えていると、輝がやってきた。
「ひめさん、今日も一緒に帰らない?」
「えっ!いいの!?」
「もちろん」
「やった!」
ひめは嬉しそうに笑った。
二人で歩き始めると、輝がふと口を開いた。
「ひめさんって、いつも楽しそうだよね」
「そうかな?」
「うん。一緒にいると、こっちまで楽しくなる」
「……っ!あっありがとう...」
ひめは思わず立ち止まった。
「ひめさん?」
「な、なんでもないよっ!」
顔が熱い。
どうしてだろう。
こんな気持ち、初めてだった。
月からきたおひめさま3話書きました('Д')
一日に3話も出すのやばw
はまってしまいました(;'∀')明日も出します!!!