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アタリマエ
岩本くんと深澤くんの綺麗で儚い物語。
それは、まるで"白いユリ"のよう。_
ぜひ、最後まで御覧ください
Hikaru side
「ねぇ、今日家行っていい❓️わら」
俺が、あの深澤辰哉を告白させたのに。
そう、あの深澤を。イベントに頼らせてまで。
今日は、早めに帰ってもらおう。
俺の理性が切れる前に。
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Tatuya side
「久しぶりだな、」扉の前で思わずそう呟く。
付き合ってから、あまり呼んでくれなくなったこの家。
せっかく、カラダだけじゃなくて、ココロも繋がっていると思っていたのに。
俺だけかな。
そんな事を考えながら目を擦る
今日は、風が冷たいから。
この涙は、きっとそうだ。
吹き付ける風が、冷たいから。
涙を拭ってインターホンを押す。
「はーい」とそっけない声がする。
岩本 「ふっか、どうしたの」
深澤 「ん〜?」
岩本 「目、赤いけど」
深澤 「いや、まじ外寒いわ、」
岩本 「部屋、暖房ついてるよ」
深澤 「お、さんきゅー」
部屋に足を踏み入れる。
この匂いにずっと包まれていたい、そんなことを考えながら。
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岩本 「綺麗だね。ふっか」
深澤 「ん〜?何急に」
岩本 「いつもより、特に綺麗」
深澤 「そんなの、照のせいじゃん」
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岩本 「はい、奥さん」
奥さん呼びに少しむすっとしながらお皿を受け取るふっかは、奥さんになってから、俺の家にずっと居座っている。
岩本 「そろそろ衣替えだな」
深澤 「長袖買いに行くかぁ〜、」
岩本 「いや家から持ってこいよ笑」
やだよ、わらなんて言いながらゲームを続けるふっか。
そんな姿でさえも愛おしいと思ってしまう。
深澤 「ま、明日取りに行くかぁ」
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岩本 「ほんと、綺麗だな、」
ふっかの寝息を感じながら、白い肌を布団で覆いながら、こんな日常が続くと思っていた。
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岩本 「じゃ、俺出るから。買い物頼んだぞ」
深澤 「あい、いってらっしゃい」
歩きながらなんとなく、ウエディングフォトを撮った日のことを思い出す。
消えてしまいそうなくらい綺麗で、"真っ白なユリ"が似合っていた。
この、長いようで短い期間にもたくさんのことがあった。
たくさん喧嘩して、たくさんぶつかった。
だからこそ、今こうして平穏に暮らせている。
だから毎日ふっかは俺の家に帰ってくる。
俺達の家に。
今日も、帰って来ると思っていたのに。
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モニターチェック中、スタッフさんが俺の携帯を持ってきた。
それはとても焦った様子で。
見てみると、マネからの異常なほどの不在着信。
なんとなく、嫌な予感がしてふとふっかのことを想った。
『落ち着いて聞いて下さい』
マネは落ち着いて、としか言いようがなくて。
『深澤さんが、事故で、_』
目の前が、真っ白になって。
その後のことはよく覚えていない。
どうやって病院に向かったのか。
メンバーたちがどんな顔をしていたのか。
お医者さんが何を言っていたのか。
"ふっかは最期にどんな顔をしていたか。何を言ったか"
ふっかの匂いがした。
綺麗だった。ただただ、綺麗としか、言いようがなくて、
白い、ユリのようだった。
『俺を綺麗にしてくれてるのはいつも照じゃん?』
珍しく、柄にもないことをを言っていたふっか。
じゃあ、それは俺のせいだ。
こんなに。
こんなにも綺麗で、儚くさせてしまったのは、
俺のせいだ。
どうでしたでしょうか?
最後まで読んできただき、ありがとうございます。