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音色 第3話
【登場人物】
成澤 美浪(なりさわ みなみ)
恵川 玲央(えがわ れお)
幸寺 紫央(こうでら しお)
美澤 駿(みさわ しゅん)
和太利 碧音(わたり あおと)
「さーて、どうすっかなぁ」
まだ始業時間じゃないのに…入学式前に…学校入ってしまった(侵入)私・|美浪《みなみ》と幼馴染の|玲央《れお》。
学校の門の内に入ったとしても、教室には入れない(メンタル的に)。
「と、とりあえずあそこに貼ってあるクラス分け表見よ!」
昇降口の前に大きな紙が貼ってあるのを見つけた。
「え~っと俺は…1組か」
「あぁ~私3組だ!階まで違うね」
「一人で行けるかな?」
「私もう中学生だあーい!」
私と玲央がわいわいわいしていると…。
「一年生…?」
靴箱からひょこっと顔を出したのは、背の高い女の子。
「あっ…今日入学式でっ…」
「一年の|恵川《えがわ》です!同じく、こっちは|成澤《なりさわ》です」
「初めまして、私は2年生の|幸寺《こうでら》」
どうしよ…先輩来ちゃったよ。
ん?でも始業時間じゃないから先輩も侵入?
「えっと…まだ学校入っちゃダメですよね」
「あはは、言える立場じゃないって君たち。私は生徒会員だから入れるんだよ~門の鍵渡されてるし」
なるほど…腕に『生徒会』って文字が書かれた輪っか付けてる。
……ということは、私達は追い出され…るよね!
「外なんか暑くない?生徒会室来なよ」
「えっ…」
「あざすっ」
玲央…あざす、じゃないでしょ…。
私達は幸寺先輩に付いていった。
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生徒会室は、エアコン付きの綺麗な部屋だった。
「たっだいま~」
「お?誰連れてきたん?」
「|紫央《しお》、職員室にコピー取りに行ったんじゃなかったの?」
私と玲央が幸寺先輩と生徒会室に入ると、一気に注目が集まった。
「新しく学校に入る一年生だよ」
「んあ?まだ早くね」
飴を舐めている…いいのかな、生徒会員だから許されるのかなぁ?
でもかっこよ…。
「いいじゃん入っても」
「りょ」
「ま、可愛い|New《ニュー》後輩って事で入学式まで居なよ、ジュースあるし!」
こうして生徒会室にお邪魔することになった。