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5話 ヒトの呼び方
ゆずれもん
「さ、次こそ学校へ向かおうか」
パチっと手を叩いて言う
「本当に連れて行ってくれますか?」
疑いしかない目で見つめるスノーウィー
「僕ってそんなに説得力ないの?」
心外、、、、とでも言うような顔をする
「急に試験だったとか言われてたんですよ」
「そうだっけ?」
とごまかす
「まぁまぁ置いといて、行くよ」
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学校へ来るまでの途中、馬車で山を走っていた
道中、特に会話がなかった訳でもなく、
スノーウィーが引くほどにオペラは話しかけていた。
シリアについてや学校の場所などが主な話題だった。
シリアについて詳しく聞いたとき、スノーウィーは疑問に思ったことがあった。
シリアの教育機関に向かうというなら自分自身にも能力があるのではないのかと
「私にも能力があるんですか?教育機関に向かうのならなければおかしいと思うんです」
落ち着いて聞く
「え、知らないよ?なんとなく寂しそうだなと思ったから連れてきただけだよ?」
悪いと思っていないように言った
聞いた途端、なぜそんな理由でと思ったがオペラ自身そういう性格なんだろうと自己解決をした
「あ、でもでも気になることがあったからっていうのもあるよ」
考え込んだスノーウィーを見て怒っているとでも思ったのか焦っている
「本当ですか?」
「本当だよ!!」
(実際、この子の話のなかで幾つか引っ掛かることがあったし、もうちょっと話を聞いておきたいんだよね)
「あー、あー、あ!ほらもう見えてきたよ!学校が!」
苦し紛れの言い訳にしか聞こえないし見えないような身振りで話しているので余計に
スノーウィーの疑いの目が強まる
「見えたということで……」
雰囲気が一気に変わる
おちゃらけたような雰囲気はどこかへいき、
真面目さとこれからの困難を示唆する雰囲気へ
「これから僕の教室に行きます、ここに生徒はあまりいなくてね、君で10人かな
全員が僕の試験を突破した者たちだよ
きっと君にとって楽しい相手になる」
「楽しい?」
「あー、良い刺激になるってことかな」
「そーですか」
「あれ、あんまり興味なし?」
「周りとかそんなに気にしてる暇なんてなかったしまともな会話もオペラさんとするのが初めてなので」
「あ、そうだった!その『オペラさん』は今の瞬間で終わりね」
「どうしてですか?」
「これから行くのは学校だよ、ということは?」
「オペラ、先生?」
「そう、正解!」
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