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#2 kyng×akg
学パロ・同級生で同クラ、両片想い
「……ロウきゅん、月が綺麗ですね」
カサ、とローファーが落ち葉を踏む音がやけに大きく響いた。
隣を歩くウェンの声は、いつもの底抜けに明るいトーンじゃなくて、夜風に混ざって消えてしまいそうなほど小さかった。
その言葉が鼓膜に届いた瞬間、ロウの目は大きく見開かれた。
歩きながら適当にスマホをいじっていた指が、ピタリと止まる。
(……は? 今、なんて言った?)
「月が綺麗ですね」――その言葉が持つ、もう一つの意味。
普段なら「ネットの見すぎ」とか「チャラ男が何言ってんだ」って鼻で笑い飛ばすはずのフレーズ。
だけど、隣にいるウェンの顔を覗き込んだとき、ロウは息を呑んだ。
いつものおちゃらけた笑顔は、どこにもなかった。街灯の光に照らされたウェンの横顔は、
耳の裏まで真っ赤に染まっていて、だけどその瞳は、まっすぐに|ロウ《俺》を見つめていたから。
「……ウェン」
「あはは……あー! 今のナシ! なしなし! 忘れて!」
ロウの低い声に弾かれたように、ウェンが突然両手をぶんぶんと振って大声をあげた。
あからさまに動揺して、視線をあちこちに泳がせている。
(やっば……! 勢いで言っちゃったけど、これ絶対引かれたじゃん! ロウきゅん、そういうの詳しそうだし……あー、僕のバカ、何考えてんだろ……!)
ウェンの心臓は、学祭の太鼓の音よりうるさく暴れていた。応援するなんて嘘。
ロウに好きな人がいるって聞いた瞬間、胸の奥がチクリと痛んだのは本当。
だから、冗談に紛れ込ませて、精一杯の気持ちを伝えたつもりだったのに。気まずい沈黙が流れる。
ウェンは「嫌われたかも」という恐怖で泣きそうになっていた。
だが次の瞬間、ロウがウェンのブレザーの袖をぐいっと引っ張った。
「っわ、ロウきゅん……?」
引き止められて、ウェンが恐る恐る振り返る。そこにいたロウは、いつもよりずっと真剣な目をしていて、
だけどその顔は、ウェンに負けないくらい赤くなっていた。
「……_____だろ、バカ」
「え……」
「お前がそんな、今にも泣きそうな顔して言うから……。からかわれてんのかと思ったのに、違ぇじゃん、それ」
ロウの言葉に、ウェンの鼓動がさらに跳ね上がる。
(え、気づいてる……? 意味、伝わってる……?)
ロウはふいっと気まずそうに目を逸らすと、首の後ろをガシガシと掻いた。
そして、ぽつりと、だけど確かな熱を持って呟いた。
「さっき、好きな人いるって言ったやつ」
「うん……」
「……お前のことだから」
「……え?」
ウェンは思考がフリーズした。
今、なんて? ロウきゅんの好きな人が、僕?
「お前が『応援できる』とか言うから、イラッとした。なんで他人事なんだよって。……俺が好きなのは、ずっと前から目の前にいるチャラ男なんだけど」
ぶっきらぼうに、だけど一言一言を噛み締めるように言うロウ。
視線は逸らされたままだが、ウェンの袖を掴むロウの指先が、かすかに震えているのをウェンは見逃さなかった。
「……じゃあ、僕の『月が綺麗』の返事、期待してもいいの?」
ウェンの声が、自然と震える。ロウは観念したように、もう一度ウェンをまっすぐに見つめ返した。
少しだけ意地悪に、だけど愛おしそうに目を細めて。
「……『死んでもいい』なんて、お前相手に言えるかよ」
その返し文句に、ウェンはぱっと顔を輝かせた。
「じゃあ、なんて言ってくれる?」
詰め寄るウェンに、ロウは耳まで真っ赤にしながら、だけど捕まえた袖を離さないまま、自分の本音を口にした。
『……お前と見る月だから、綺麗なんだろ』
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、ウェンがロウの体に飛びついた。
「わっ、ちょっと待て、危ねぇだろ!」
と焦るロウの首に腕を絡ませて、ウェンは思い切り抱きつく。
「ロウきゅん大好き!! 僕、今なら花火より大きい音で叫べる気がする!!」
「うるせぇ静かにしろ! 街中だぞ!……っつか、離せ!」
「やだ! 離さない! ロウきゅんが僕のこと好きって言うまで離さないもんね!」
「さっき言ったじゃねえか ……クソ、ほんとチャラチャラしやがって……」
口では文句を言いながらも、ロウはウェンの背中にそっと手を回して、優しく抱きしめ返した。
学祭の準備が終わった静かな夜道。2人を照らす月は、驚くほど優しく、そして綺麗に輝いていた。
最後ただただキャラ崩壊してて草。
書き方変えてみたけどどうかな