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フランドール・スカーレットvs拓也
殺意の波動に目覚めたわん太
紅魔館の地下。
そこは五百年もの間、一人の吸血鬼が退屈を噛みしめ続けた場所だった。
「……また誰も来ないのかな。」
フランドール・スカーレットは翼を揺らし、小さくため息をつく。
その瞬間、空間がひしゃげた。
「なんだここ……。」
初音ミクコラボ姿の男が床へ転がり落ちる。
名は拓也。
幾多の奇妙な世界を渡り歩いてきた彼ですら、この洋館の空気には思わず眉をひそめた。
「君、誰?」
「俺にも分かないッス、ただ気づいたらここにいたっすね」
フランドールは目を輝かせた。
「じゃあ遊ぼう!」
返事を待つことなく、虹色の結晶翼が輝く。
無数の弾幕が地下室を埋め尽くした。
「ウッス?!精〇みたいな攻撃やめてくださいっす」
拓也は柱の陰へ飛び込む。
まるで俺はペットのようだ…
石柱は一瞬で粉々になった。
「すごいね! まだ立ってる!」
「ウッス、、、」
床を転がりながら距離を詰める拓也。
彼は戦士ではない。
しかし、修羅場を潜り抜けた経験だけは本物だった。
フランドールは笑う。
「壊れろ!」
「俺のギリシャ彫刻のようなガタイが?!」
彼女が握った右手に力が入る。
“ありとあらゆるものを破壊する程度の能力”。
対象の「目」を握りつぶせば、存在そのものが砕け散る恐るべき力である。
だが、その瞬間。
拓也は床に落ちていた銀の燭台を放り投げた。
「!」
フランドールの視線が一瞬だけ逸れる。
その隙に拓也は駆け抜けた。
「面白い!」
地下室いっぱいに笑い声が響く。
弾幕。
爆発。
崩れる壁。
まるで嵐だった。
十分後。
地下室は瓦礫の山になっていた。
フランドールは肩で息をしながら笑う。
「久しぶりだよ、こんなに遊べたの!」
拓也も膝に手をついて息を整える。
「命がいくつあっても足りない相手だった……このオンナちょーSだよな」
勝敗はつかなかった。
いや、最初からそんなものは必要なかったのかもしれない。
退屈だった少女は久しぶりに心から笑い、
迷い込んだ男は二度と来たくないと思いながらも、その笑顔だけは忘れられなかった。
地下室には、戦いの跡だけが静かに残っていた