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Sculpture de romance
( 'ω')a 耽美小説っていうの?
ジュエルとかオパールっていう文庫ね。
BADENDサイコスリラーって女性的にはどうなん?
ぜひ感想ほしいトコではあるが‥‥セクハラなるか★√
玄関ホールと、飾られていた石像の精巧さに驚いたが、
画廊に続くリパーロに展示されている数にも圧倒された。
通された画廊の中にも所狭しと石像が置かれていたのだが、
しかし‥雑然とした印象すら覚える。これはどうしたことか。
部屋が磨かれた大理石の床で、モダンな木彫タイルの壁でなければ‥
(まるで、保管庫だ)
立ち尽くしていた私に、案内の男が機嫌よく促す。
「像に近寄って耳を澄ましてみなさい」
言われるまま、側の少女像の口に耳を近づけてみる。
…ッ アッ…ア…アアアッ …アッ…ッ
アン…ン ア…アンッ イイッ…イク…イク… …アハ ア…
驚いて距離を取ると、声は聴こえなくなった。
空耳か?と訝しんでいる様子を見て、クックッと可笑しそうに男は笑って、
「もう一度、その娘に聞き耳を立ててもいいが。
‥どうせなら別の娘の調べを聴いてみるといい」
男の酷薄な表情に、背筋が寒くなる。
まさかと思うが・・・、いや。そんな筈はない。
すぐ隣の、別の同い年くらいの娘の像に目が止まる。
長い髪を結って露わになった細い首と、
綺麗に整えられた襟足から‥肩の白磁のような淡く輝く白さ‥
ともかくリアルなのだ。
身に纏った薄手の寝着の後ろは大きく開いている。
小柄で痩身の小さな背中は、曇りのない白さが眩しく映る。
彼女を‥無意識のうちに手で触れていた。
ひんやりとして、滑らか。触れた指で弧を描くように撫でる。
当然、娘に反応はないのだが‥反応を期待させる妖しい魅力があった。
確かに石であるのは間違いない。何の気も迷うことでもないであろうに、
本当に娘の肌に触れているかのような‥興奮と、後ろめたい気持ちを覚えた。
覗けば腋窩に一毛も無く、布越しに見てとれる小さな ”尖り” まで実に淫靡。
ああ、背中の貼り付いた紐を引ければ‥ハラリと解けて落ちそうな質感だ。
身を捩らせている背中の僅かな肉の張りは、艶めかしく、
手首と、足首に浮かぶ縄目痕の痛々しい表現といったら‥‥。
**観る者の心を掴んで放さない‥息を呑む生々しさがあった。**
細い腰のさらに下へ視線を落とせば、
張り艶のある小振りのお尻の合間から覗く二つの窄みが、口を開けている。
あっと声を上げそうになった。たちまち羞恥がこみ上げ、目を逸らす。
気恥ずかしさから、チラと男の方を見るが、
ぞっとするような冷たい視線に‥薄ら寒い予感を覚えた。
どうやら、もう後戻りできないのか。。いやでも、まだだ。
趣味の悪い悪戯という可能性もある。それに、疑惑の確信を得ていない。
石像の娘たちは、どれも目を細めて虚空を見据え、
笑みを浮かべた表情は法悦の一瞬を固めたような生命感が在る。
とても彫ったような造形美では出せない‥そう、まるで・・・
**生きたまま石になったような。**
よく観察すればするほど‥時間が止めてしまったような存在感がある。
意を決して、口に耳を近付ける。
ハ…ア… …ンッ …アッイ…イイッ
アンッ…アン…アン…アアッ アン…アッ…アン
イク…アン…イイッ …イクッイクッ… ハ…ッ…
覚った。空耳や思い込みなんかではない。その場にへたり込んでしまった。
男が背後に立って両肩に手を掛けると、耳元で囁く。
「気付いたね。ここにある像は、全て "生きている" んだ」
血の気が引いた。
「君のフィアンセは・・・あの辺に "在る" はずだ。会って "観る" といい」
「時間停止」っていう身動き取れない異性にイタズラするってやつね。
それの、石化バージョンです。
イギリス、ノース・ヨークシャー付近を流れるニド川のほとりに、
何もかもを石に変えてしまう「ナレスボロの石化泉」ってのが現存する。
も一つが、真島ヒロ氏の『EDENS ZERO(3)』ね。
エロス要素は、真島ヒロ氏から触発されたもので間違いないです(笑)。