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霞時
ただいまの時刻はpm12:54
生徒会と霞会は学校に残っていた。
「せんせー!暇!」
「おー、そうか、先生も暇だ我慢しろ」
|霧島《キリシマ》 |優美《ユミ》は霞会の指令係、大雑把に言えばサポーター的なポジションに属している。
|私立霞幽玄高校《シリツカスミユウゲンコウコウ》は生徒会と霞会の生徒は週に2回全員で街のパトロールをしなければならないのだ。
なぜなら___霞町には|霞喪《カスミモ》が出てくるからだ。
「指令長!コンビニエンスストアの方で霞喪が探知されました!」
「知ってる、そんなのとっくに報告してるよ」
優美が返すと報告してきた女の子はしょんぼりとする。
「はっ、はい...すみません」
女の子が涙目になった事に気付き優美は焦って取り繕う。
「いや、でもね?しょ、初心者にとってはすごい、なんか、めっちゃ反応早いし、うん、すごいよ!?」
焦りながら早口で言い続ける優美の前で女の子は涙をこぼす。
「優美っ、お前カバーするの下手くそすぎだろ、少しくらい頭使えよ」
最後に(笑)がつきそうな言い方で|佐藤《サトウ》 |竜喜《リュウキ》先生が馬鹿にしてくる。
「優美、お前はそのまま攻撃隊に指令だしとけ、|彩花《サヤカ》のカバーは俺がしとく」
(えっ、このこ彩花って言うのか...あやだと思ってた...)
とりあえず名前は知ってましたよと言わんばかりの顔をして誤魔化して指示に集中しよう。
「コンビニエンスストア地下に気配あり、恐らく4体ほどが隠れている可能性あり、繰り返す、地下に気配あり、恐らく4体ほど隠れている可能性あり」
切り替えて指示を出す。
というか、集中しないとさきほどの彩花を泣かせてしまった映像がフラッシュバックしてくるのだ。
『えー、こちら田中 |誠治《セイジ》、田中 誠治...4体の霞喪の確認しました、今から討伐に入ります』
可能性は当たっていた。
「了解、誠治と同じ班の隊員は残り、後の班は学校へ集合してください、繰り返します、誠治と同じ班の隊員は残り後の班は学校へ集合してください」
『了解』
さまざまな男女の声が一斉に聞こえる。
本来は静かなはずのヘッドホンの中の以外の音も...
「ふぅー、やっぱり優美の指示は正確だな」
「いやー、そうですね先生」
先生と彩花が感心したようにお互いの意見を言い合っている。
(こいつらぁ!)
先ほどヘッドホンを外したときに1番始めに聞こえた音は先生の「やっぱり俺の負けだ、はい彩花1000円」である。
どうやら先生と彩花は優美が人を泣かせてしまったら優美は判断を間違えるのかどうかを賭けていたらしい。
「なに?貴方達?私がぁ?頑張って指示を出しているときにぃ?生徒と先生が賭けをしてるぅ?これ教育委員会やPTAに伝えたらどうなるんでしょうねぇ?」
「いやー、あの、せめて教育委員会だけは...」
すーっと目を反らしなが先生は優美に訴える。
「ごっ、ごめんなさい、ゆっ、ゆみぜんばいっ」
泣きながら訴えてくる彩花。
もう、この手には絶対乗らない。
「お前ら2人とも歯食いしばれ!」
その日の私立霞幽玄高校にはでっかい雷が落ちた。
私立霞幽玄高校とは?
霞町にある唯一の高校
他の高校の普通科と学ぶことは大して変わらないが、私立霞幽玄高校には霞会という霞喪から住民を守る委員会がある。
霞喪とは?
霞町のみに発見される妖怪又は化け物のようなもののことを言う。
肉食で主に人間の脳みそを好む。
生態はよくわかっていない。