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ヴィラン
リア友リクエストです
ほんとにちょっとですが性的な文が出ます。
そのためR12にしました。
好評でしたら作者泡沫本人による朗読音声をプレゼントするかもしれません!
「ヴィラン、か…」
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この世界は、多分これを読んでる君たちの世界とはぜんぜん違う。
この世界は、女性差別が酷なのだ。
男性は毎日温かいご飯、優しい召使、楽しいゲームなど、充実した毎日を送る。
女性は男性のサポート、生涯に渡る労働、ご飯は1日でやっとおにぎり一つ分ほど。
そして、男性、女性の中でも|階級《ランク》というものがある。
男性の|階級最上級《ハイランク》は|キング《王様》と言って、何をしても許される人たち。一般的に大人(中年)が多い傾向。ただ、|階級最上級《ハイランク》の人はあまりにも少ない。
そして、悪くも良くもない、一番の中間の|階級《ランク》、|普通《ノーマル》がいる。それ以下の人たちは削り落とされる。どうなるかは…知らない。
ちなみに、中学生まではどんなにがんばってもノーマルの一個上、|真逆《リバース》までしかランクを上げられない。
これでも結構厳し目に感じるかもしれないが、そう思った君、甘い。
女性たちはもっと苦しんでいるのだ。
女性の|階級最上級《ハイランク》は|女王《クイーン》だ。ちなみにこれは、男性のランクで言うノーマルの二つ上、|色彩《パレット》と等しい。
全体的に階級が低いのだ。
もうすでにごちゃごちゃになっている人も多いだろう。でもこの国では物心つかないうちに叩き込まれることなんだ。
ざっくりまとめると、女性と男性は|階級《ランク》自体がちがう。
全体的に女性の方が|階級《ランク》が下で、男性は上。
|階級最上級《ハイランク》なのは、|王様《キング》、|女王《クイーン》
これだけ覚えてくれれば、まずはいい。
そして、女性男性ともに一番下なのは、
ヴィラン。
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俺は、男。
多分、男。
戸籍上、男。
見た目も、男。
性格は、
女?
前言ったけど、この国では女性差別がひどいのだ。
今から戸籍を変えて女性になる気はない。勇気がない。
今は男子として周りとも暮らしてる。
男子校にも通っている。
でも、実際、自分が男子なのか男女なのかわからない。
実は、この国は生まれてからずっと女子でいるよりも、生きている途中で戸籍を異性に変えるほうがずっと罪が重い。
それを禁止するために、5年毎に調査を行うのだ。
罪人を見つけるための|紅草《レッドプラント》を食べさせ、戸籍偽をしていないか確かめる。
あ、ちなみに|紅草《レッドプラント》は君たちの世界で言う自白剤のようなものだ。
自分は、14歳11ヶ月。
もう少しで3回目の調査が来る。
それが、やばいのだ。
心から完全に女というわけではない。
でも、少し女だったり、女に憧れていたりすると、バレてしまう。
やばい。
その気持を持っているのはごく少しの人のみなので、一人でもいればトップニュースで放送されてしまう。そうすると、
誰も知らない人にとっても、ヴィランになってしまう。
ヴィランがその国にいるだけでその国は一気に衰退する。
普通だったらヴィランを国から追い出す。
追い出されたら、山や林の中でホームレス状態で生きるしかない。
そのうち、誰もが忘れてくれる。
孤独なまま死んでいくのだ。
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嫌だ。嫌だ。
そんなに嫌な理由は、彼女にある。
彼女の名は、キミ。
この国では結構ベタな名前だ。
彼女は、なにか違った。
女性に興味がない自分だが、彼女はなにか違った。
普通は、厳しい労働に毒を吐く女性が多いが、彼女は何一つ毒を吐かない。そして、人を褒めたり、少しでも楽しいことがあったらたくさん笑って楽しそうにする。
その姿はとても輝いていた。
自分は、彼女に惹かれた。
同時に、彼女だけには絶対に自分が罪を犯していることをバラしたくないと思った。
もし、彼女にとって大切な人になれたとして、彼女にこれを言っても、嫌がらないかもしれない。
だが、重罪人と一緒に時間を過ごすのは、どうなのだろうか。
彼女の名誉にも関わるし、親御さんが離れさせたいと思うかもしれない。
一度赤い糸が結びついたそのすぐ後にほどけてしまうのは、嫌だ。
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取り敢えず、もう今はいないお姉ちゃんの服は、捨ててしまおう。
たまに家の中でこっそり服を着ることはある。
その気持、楽しさも捨てなければならない。
黒いゴミ袋に、服をしっかり詰め込んだ。
念のため、女物の服とわからないよう、少し燃やした。
思い出の詰まった宝物たちは、ゴミ収集車によってぐちゃぐちゃに破壊された。
心のなかで、何かが消えた。
次は、アクセサリーだ。
おもちゃ用のお化粧セットから、ちょっと高いネックレスまで、たくさんある。
お姉ちゃんはお洒落好きだったから。
お化粧セットの甘い匂いのするリップを開けて、閉める。
かぽ、かぽ。
ナツカシイ。
よく遊んでたな。
でも、その心も、思い出のものも、全部、捨てなければならない。
こちらもゴミ収集車に預けた。
ネックレスは売ってしまおうかと思ったが、女性のネックレスなど欲しい人は殆どいないだろう。
何かが、心のなかでまた消えた。
そうやって、お姉ちゃんのメガネ、筆箱、ぬいぐるみ、漫画など。
女性に関係するものはどんどん捨てた。
一つだけ、捨てれないものが合ったけれど。
「ドーラ。」
ドーラは、昔から買っている犬だ。
ラ・ロディックス。あ、君たちの国では、多分大型犬のこと。
ドーラは明るい茶色の毛で、とてもかわいい。ハッハッハ、という声も可愛らしい。
姉が5歳のとき――――まだ僕は生まれていないとき――――に一生懸命ねだってようやく買うことができた。
流石にイヌを処分するのは気が引けた。
可哀想過ぎて。
黒い袋に入れて、声が漏れないように毛布を詰め込んで、そうしてゴミ収集車に…
可能だが、自分には無理だ。
これは、女子の気持ちを捨てるとかではなく。
本当に大丈夫だろうか。
乗り切れる気が、
しない。
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色々合って証拠隠滅できた。
薬を飲んで、自分から女子に憧れる気持をなくす事もできた。
女物が消えた代わりに、心に大きな穴が開いてしまったような気持ちだ。
明後日が本番だ。
死ぬかもしれない。
取り敢えず、心から女を消せばいい。
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今、危機的状況に陥っている。
今年は特別に、|紅草《レッドプラント》の強化版、|熱紅草《ホットレッドプラント》が導入されるのだ。
|熱紅草《ホットレッドプラント》とは、「昔」あった女性に憧れる気持ちまでわかってしまうのだ。
これは困った。
どうあがいても、自分は引っかかってしまう。
死のうか。
死にたくはない。
キミがいるから。
いっその事告白して、一緒に死んでいこうか。
嫌だ。嫌だ。
そして、決めた。
この国の|法律《ルール》を変えようと。
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この国は経済大国として有名だが、女性差別など、ジェンダー平等は最低と言ってもいい。
なぜそんな大きな欠点を修正しないのか。
女性を虐め、叩きつけて、苦しめることに快感を得ているからだ。
まず男の性癖から叩き直していかないといけない。
そして、自分の父さんは金持ちだった。
その金の半分を使って狂った政治家たちを叩き直し、もう片方の半分は女性に分け与えよう。
作戦、開始だ。
--- 10年後 ---
「おかあさん、おなかへったよ。」
「ちょっと待ってね。今ベーグルを焼いているから。」
「ぶー。はなしきいてよぉ。」
「今お母さん忙しいから、お父さんに聞いてもらって」
小さい男の子──名はヴィッセルという──は、てちてちと足音を立てて2階に登っていく。
「おとうさん、おはなしきーいーて!」
目元の下にタトゥーがある、優しい目元の中年が振り返る。
年齢は20後半か30前半くらいだろう。だが、その年齢にしては派手な、薄い青色の髪色をしていた。
「何だい、ヴィッセル。」
その男は優しい言葉で言う。
「あのねあのね、えーっと、、あ!がっこうで、ならったの!」
「何をだい?」
ゆっくりと腰をかがめて質問をする。
「むかしは、おかあさんたちがぁ…えっと、ひどかったの?」
今の学校でこんな話をするのか。残酷な事実に思わず声が出てしまいそうになる。
息を吸って、できるだけオブラートに包んだ言い方で喋る。
「酷かったのは、お母さんたちじゃないんだ。偉い人達だよ。」
「えらいひとなのに、ひどいの?」
小さい子に分かりやすく喋るのは本当に難しい。
「酷い人たちが正しいって思われていたんだよ。」
「んー、、」
わからないか。
「お父さんが悪い人だとします。お父さんが命令します。『女の人達…お母さんたちは、ずっとお仕事をしていてください』って。」
「おしごと、たいへん?」
「ああ、大変。毎日ずっと畑を耕したりするんだ」
そこでヴィッセルが目を見開いて言う。
「たいへんだぁ!」
わかってくれた。
「じゃあ、なんでいま、おかあさんたちがいるの?」
「それは…」
私がやった事実を理解するのは、まだ難しいだろう。
「正義のヒーローが、偉い人たちを…」
ここで私が軽く、殴る素振りをする。
「ぶっ倒したんだ!」
驚いたような、でも嬉しいような顔で、ヴィッセルが拍手をした。
「今、ここにお母さんがいるのも、正義のヒーローのおかげなんだな。」
「うん!」
わざとらしく、でも純粋に何回も頷く。
「じゃあ、ご飯を食べに行こう」
そうしてドアを開けて1階に降りていった。
まぁ、正義のヒーローは、
私なんだけどね。
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あのとき、10年前。
大量の金で政府の人間たちをそそのかし、軽くいいよと許してくれた。
でもそれは、下っ端の政府役人のみだった。
一番偉い、政府所長ムッシュは、「論外だ。帰れ。」
といった。
私は流石に堪忍袋の緒が切れた。
お前らが快感を得るためだけに、どれだけの女性が犠牲になっているか。
なぜ、男だけが気取っていることが許されるのか。
自分たちが恥ずかしいと思ったことはないのか。
すべてぶつけると、所長はまるで業火に水をかけたときのように大人しくなっていた。
「面白い。じゃあそれをする…女性差別をなくすことで、この国はトップレベルに立てるんだな?」
私は、もちろんと即答した。
そうすると、満足気に
「半分残っている金を女性たちに渡してこい。早急にだ!」
といった。
逆光なのでムッシュの表情は読み取れなかったが、わずかに口角が上がって、耳が赤くなっている気がした。
それは自分がいいことをしていい気分になっているのか、はたまた私のような人材が自ら政府の役所に来て嬉しかったのか、大量の金が貰えて嬉しかったのか、私には知る由もない。
それから、女性にお金を少しずつであるが分け与えた。
一人数千円しか与えることができなかったが、恐らく殆どの人に届いたと思う。
新聞にも取り上げられようとして、記者が押し寄せたが、私は言った。
「新聞に私のことは載せないでほしい。どうしても載せたいなら、この女性が成し遂げたと言ってくれ」
その女性は、キミだった。
キミは女性のトップで、多くの女性に慕われるようになった。
彼女は忙しそうだったが、いつも笑っていた。
いいことができたかなと思った。
そして、その後、プロポーズしてみせた。
意外にも、即答で「いいよ!」といってくれて、嬉しすぎて泣きじゃくってしまった。
そして、現在、結婚して、子供もできた。
この国にヴィランはたくさんいる。
でも、もはや「君もヴィランなんだね、よろしくね。」レベルに身近なものになった。
世界的にも経済大国として大きな成長を遂げ、世界で一番素晴らしい国と言われている。
ん、僕の名前が知りたいのかい?
僕が誰かと?
僕の名前は、
ヴィランだよ。
歌詞を載せておきます。
※英語などの半角文字が127のようになってしまっています。すみません!
ヴィラン・てにをは
きっと手を繋ぐだけでゾッとされる
馬鹿げた競争 一抜けたら通報される
突然変異 じゃない ただの僕さ
xとかyとか
べき論者様は善悪多頭飼い
僕が君を 「侵害」するって言いふらしてる
Oh, Mr. Crazy Villain, Villain
夜行性の花弁
違う服着て君の前では男子のフリする
拝啓 Dr. Duran, Duran
迎えにきて下さい
顔も知らない誰かにとって僕はもうヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
蛇蝎ライフ
蛇蝎ライフ
挙句の糜爛
逸脱の性 をまたひた隠す
雄蕊と雄蕊じゃ立ち行かないの?
ねぇ知ってんのか乱歩という作家のことを
Import you, import you
造花も果ては実を結ぶ
ぶるってんじゃねーよ 多種多様の性
愛しい哀しい話をしよっか ゼラチン質の
「で?」
Mr. Crazy Villain, Villain
可能性に幸あれ
僕のハート1LDK 嫉妬くらいはさせてよ
Hi there モットー YOLO, YOLO
微熱愛でいいのに
誰も知らない 知られたくない皮膚の下
素晴らしき悪党共に捧げる唄
骨まで演じ切ってやれ悪辣に
残酷な町ほど綺麗な虹が立つ
猥雑広告に踊るポップ体の愛
Oh, Mr. Crazy Villain, Villain
夜行性の花弁
違う服着て君の前では男子のフリを!
拝啓 Dr. Duran, Duran
ここだよ
顔も知らない誰かにとって僕はもうヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
ヴィラン ヴィラン
蛇蝎ライフ
蛇蝎ライフ
挙句の果ての糜爛
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33日間しか見れないのでお早めに!
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主人公(ヴィラン)↓
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