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暁前の微光【8話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
底に埋もれた弱者達よ。
強くなれ。
強い者だけに、道は開かれる__________
カラ「下降りて一緒に、寝るか?」
LOUIS「_____あほ」
ふふ、と微かに笑って言葉を返す。
その言葉を聞いていたのか、聞いていなかったのかは知らない。
少し経つと下から呼吸音が聞こえてきた。
それを聞いているうちに、兄も深い眠りに落ちていった。
---
窓から朝日が差し込む。
ピピピピ……という機械音と共に重たい瞼を開ける。
LOUIS「ん………カラぁ…朝だよ…」
カラ「………………んぁ、?」
LOUIS「ふぁ、?」
朝が弱い二人には、この時間は地獄。
いつもは母が起こしに来るが、今日は仕事なのだろうか。二人以外に誰かいる気配はなかった。
部屋から出て階段へ続く廊下の電気をつける。
少し肌寒い。
下へ降りて洗面所へ向かう。顔を洗って食卓へ。
いつものルーティーン。何も変わらない。
LOUIS「……何時からやったっけ」
カラ「7時半」
LOUISの問いかけに短く返す。朝食が置かれている食卓には紙が置かれていた。
二人「なんやこれ」
不思議に思い、少し乱雑に封を開ける。
中から出てきたのは綺麗な飾り付けがしてあるレターだった。
--- お母さんは先に行くな。外出る時は気いつけるんやで。 ---
それだけ書かれていた。
LOUIS「………食べよか」
カラ「おん」
LOUISが時計をちら、っと見、絶句する。
時計の針が指しているのは7時15分。
カラ「何時からやったっけ」
LOUIS「七時、半」
____________終わった。
食パンを口に放り込み急いで支度をする。
こんな日にまさか遅れるなんてあり得ない。幸いにも集合場所は家だが、こんな大切な日に遅れるなんてどんな漫画でも聞いたことがない。
笑い事じゃない。
カラ「っなぁ!!何がいるん!?」
LOUIS「金と食料!!!」
カラ「ええっ、それだけでええの!?食料って何!?バナナ!?」
LOUIS「あほ!腐ったらどないすんねん!なんか…お菓子やお菓子!飴!」
カラ「オッケーー、ちょっと待ってや…この上に__」
冷蔵庫の上にある飴の袋を取ろうとするために乗っていた椅子が傾き________そして倒れる。
大きな音がしてその場に投げ出されるカラ。
LOUIS「っ……はぁ、ちょ…な、なにしとんねんっ!!w」
カラ「いぃったぁああ!!!こんの___あほいす!」
ガヤガヤ騒いでいる間にインターホンが鳴る。
嗚呼……終わった。来てしまった。
恐る恐る扉を開ける。
LOUIS「は……はぁい?」
寺「おはよう。準備できとるん?」
カラ「えっ?あ、はは、うん、ばっちり……」
周「嘘つけw」
カラ「すまん、LOUISが二度寝しよって…」
LOUIS「お前ほんましばくで」
カラ「ゴメンナサイ」
はよ準備してき、という寺の一声でバタバタと再び準備に取り掛かる。
___十分後。
寺「オッケー、準備完璧やな?扉の鍵しめた?」
二人「ばっちり」
周「うん、ほんなら先どこ行く?」
「うーーーん………」
--- 駅!!! ---
続く