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撮影!打ち合わせ!JOY4
しばらくマップに従って歩くと少し小さめの撮影スタジオの入ったビルに着いた。
「ここですね。」
自動ドアをくぐり中に入る。中にいた人たちに軽く会釈して撮影スタジオに向かう。
「やぁ!君たちがJOY4のみんな??」
「はじめまして。マネージャーの夜野田です。今日は彼らをよろしくお願いします。」
私は礼をしてそそくさとスタジオを去って外にあるベンチに座って時間を潰す。社長とやりとりしたり、チーフと彼らの今後について連絡し合った。
大体10分くらい経っただろうか。ビルから慌ててカメラマンが出てきた。
「マネージャーさんですね?ちょっといいですか!!」
「は、はい」
あまりに大慌てで私に言ってきたので驚いた。私はカメラマンの後を急いで着いて行った。
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「あんだよ!低杉!!うっせーな!一々一々。このポーズでいいじゃねぇーかよ!!!!!」
「あんだよモジャモジャ!それじゃあ“アイドル”としてどーなんだよ!」
あの二人が喧嘩している。坂本さんと桂さんが止めようとしているものの止まる勢いは全くない。
「アイドルらしくかっこいい、自分たちらしいポーズをお願いしたんだけどね、、、、、、、、、」
「喧嘩しちゃった。」
「なるほど、、、」
喧嘩する彼らを前にただ私も少し呆れた。でも止めなければ次の打ち合わせに間に合わなくなってしまう。
「あの!さっさと決めてもらっていいですか?!あと30分なんですけど!!!いい大人がごちゃごちゃとそんなん両方やればいいじゃないですか!!!決められないんですか?!子供じゃないんだからさ!!!!」
目一杯に叫んだ。シンっと静まり返ったスタジオ。
「そうっちゃ。さっさと決めるぜよ!」
坂本さんが場を整えてそれからはテキパキと進んで行ったらしい。
撮影がひと段落し、打ち合わせを行う事務所が運営する会議室へ向かった。そこには社長とチーフが既に来ていた。
「社長、チーフお待たせいたしました。」
「あぁ、着きましたか」
「え?!社長いんの?!」
「やぁ、銀時。作詞は順調でしょうか?」
「せ、先生、、、なんでこんなとこに、、、」
「晋助、作曲作業は慣れてきましたか?」
気にかける社長と少し嬉しそうな二人。話を聞けば両親を早くに亡くし、身寄りのなかった高杉さんと親も誰か分からず日本を彷徨っていた坂田さんを社長が拾って育てていたとはチーフから聞いた。
「社長、打ち合わせを済ませましょう。」
このままじゃ進まないと考えたチーフが社長に声をかけてくれた。