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忘れられない彼女
晴瀬とのユニット、晴れ柳で最初の一文を交換して作りました。
泣いて笑って、彼女はそう言った。
--- 「ありがと。またね」 ---
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ある晴れた夏の朝の事だった。
「・・・ミ。ル・・・ミ」
「ルミってば!」
「へ?」
ボーっとしている体に、最初に届いたのは|五月蠅《うるさ》いセミの声。
「あ・・・、ごめん、ちょっと疲れてて・・・」
「気を付けてよ・・・病み上がりなのに、こんな真夏に出かけるとか言っちゃってさぁ・・・」
ルミは苦笑した。
「ごめんね、我が儘につき合わせちゃって・・・」
「いーの。病み上がりの人放っておけないし、私が好きで一緒にいるんだから!」
ルミの親友、アカネは太陽のように明るく笑った。
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「で?何で外歩きたいって言ったの?アンタの事だから、何か用事でしょ?」
「ふふ、アカネに隠し事は出来ないね。あのね、ある所に、行きたくて」
「ある所?」
ルミは頷いた。
「世界で一番信頼してる、心の友と一緒にね!」
「ルミ・・・」
2人は笑った。
「それは良いんだけどさぁ・・・、一体どこらへんなの?」
「もう少し行った所に林があるでしょ?そこを抜けるとあるんだ~!」
「へぇ・・・、そんな所に何かあるの?」
「あるよ。建造物じゃないけどね」
それからも、2人は他愛ない話をしながら歩いた。
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ガサガサ・・・
2人は雑木林の中をかき分けて進んでいった。
「うへぇ・・・木がいっぱい・・・」
「もうちょっと頑張って~。あ、あった!」
「ほんとぉ?もうここ進むのこりごりなんだけど」
「ほら、ここだよ」
ルミの指さす方向には、真っ白な花畑が広がっていた。
「きれー・・・」
「でしょ?病気になる前、よくここにいたの」
「そうなんだ・・・・。」
アカネは少しだけ俯いた。
「最後にここに来れてよかったな」
「最後・・・って?」
アカネは悲しそうに微笑んだ。
「あのね、私・・・、きっと長くないんだ」
「えっ・・・?」
「何となく、分かるの。きっと、長くは生きられない。だから・・・」
アカネはルミの手を取った。
「衰弱して死ぬより、自分で死んだ方がマシだなって!」
「アカネ・・・」
ルミは泣きそうな顔で親友の名を呼んだ。
「・・・ほんとは、ルミの事、置いていきたくない。でも・・・もう、どうしようも出来なくて・・・」
「でも、やだよ、せっかく、私の病気が治ったのに!もっと、たくさんアカネと遊びたい!」
アカネは微笑んだ。
真っ白な花畑の中、2人だけの時間が続く。
「ふへへ、ルミは出会った時から泣き虫だね。ずっと、変わってない」
「だって・・・、私、アカネが大好きで・・・、友達としても、それ以外としても、大好きでぇ・・・!!」
アカネはルミを抱きしめた。
「私も大好きだよ。ずっと。そして、これからも」
「やっぱりやだぁ!ずっと一緒がいいよ・・・!」
ルミの駄々こねが終わらず、アカネは少し困り眉になりながらも、ルミの頭を優しく撫でた。
「大丈夫。今は会えなくても、いつかはまた会えるから」
泣き止まないルミを、アカネはもう一度強く抱きしめた。
「だから・・・」
--- 「ありがと。またね」 ---
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真っ白な花畑で少女を抱いた子供が一人、辺りが真っ暗になるまで泣き続けた。
・・・と、いう訳で、晴れ柳の記念すべき(?)第一作目です!晴瀬から貰った一文を何とか活用しようと切磋琢磨していたら、気づいたら楽しくなって、人が死にました。(別にテンション上がると人が死ぬわけではない)。はい、今回も自分の好きなように書かせてもらいました!晴瀬ーー!!面白い一文送ってくれてありがとな~! これからもたくさん晴れ柳で投稿していこうと思っているので、よろしくです~! それじゃ、またにぇ~