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性
自分には性別が無い。
昔から、ずっと。
最近は、男と女の境を無くしていく試みや考えが人気らしい。
青と赤だけでなく、その間のグラデーションや2色以上持っていることも当然とされていっている。
でも、それが決して全人類をカバーしているとは限らない。
2色どころか1色も持たない。
グラデーションの外側。
本来ありえない場所。
“無”に立っている自分は、結局変なのだ。
身体も心も無性別。となると面倒で、女といっても男といっても違和感が出てくる。
トイレは人が居ないところを使い、風呂は自宅のみ。
ファッションは適当。
クラス内の会話に馴染めたことはない。
誰かに魅力を感じたこともない。
それでも、決して自分が嫌いなわけではない。
1人好きなところがあるからだろうか。
この現状に少し感謝さえしていた。
昔と違い、今は性別も多様化している。
そういう話をよく聞く。
これに救われる人も、ムカつく人もいる。
自分は、後者だ。
現状に満足し、慣れて、既に諦め、受け入れた人間にとって変化は不要。
そもそも昔からの固定観念を全人類から取り除くなど、不可能に近い。
自分が“普通”として認められている想像もつかない。
周囲の考えを理解できない人が、周囲から理解される筈がない。
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ここ数日は、寝る前に色々考える。
朝が嫌いな人の末路だ。