勉強が出来なくても

大人は、子供が勉強できないと失望した目をする。 そんな大人を見て、子供は自分が"ダメな子"なんだと思い込む。 自分の存在価値を見失い、自信を無くす。 …だけど。 もしかしたら、その子は絵をかくのが得意かもしれない。 物語を作るのが上手なのかもしれない。 ゲームをするのがうまいかもしれない。 歌声がきれいかもしれない。 運動ができるかもしれない。 手先が器用かもしれない。 優しい子かもしれない。 思いやりがあるかもしれない。 気配りができる子かもしれない。 最後まで諦めない子かもしれない。 まだ見ぬ才能があるかもしれない。 誰にも負けない"好き"があるかもしれない。 好きなものに真っすぐな子かもしれない。 自分の言葉で誰かを救っているかもしれない。 大切な仲間がいるかもしれない。 誰かに愛されているかもしれない。 そして…… ——みんな、世界にたった一人しかいない。 そんな子供たちを、誰が"ダメな子"と言えようか。