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マグカップ
2025/6/16 18:55:07
マグカップ
うちの職場はサステナビリティ経営を|標榜《ひょうぼう》してから、コーヒーメーカーの横にあった紙コップを撤廃し、マイカップ推奨となった。
おかげで紙コップを発注する費用と、紙コップを持ってくる業者も、紙コップを潰す手間も、燃えるゴミの量などが格段に減ったようだが、来客対応時は困りものだ。だって、客に振る舞うべき粗茶代わりのコーヒーも、容れ物がないと差し出せない。
そんな一つ二つのモノ、百均の奴で何とかなるだろう。いいや、経理の奴が財布の紐を握っている。
サステナビリティを目指すためには、顧客もわが社のステークホルダーなのだから、サステナビリティについて考え、マイカップ持参で商談に臨んでいただきたい。サステナビリティしてもらおう。
最近の事務作業もペーパージャングルだったのだが、少しずつペーパーレスになってきた。こう書いてみると、サステナビリティというより紙を減らすことを優先しているらしい。
従業員としては、もう慣れた側だ。
僕の使っているマグカップは、ユニクロのものだ。たまたま当たった。
数年前に、8000円以上の会計で、マグカップが一つもらえるというイベント。ユニクロのシャツは1枚1500円とか余裕でするから、数点買うだけで目標値達成だ。何のことはない。マグカップを見た。紺色で、外側に白字で「UNIQLO」と書いてある。分厚い素材で、陶器っぽさ。
そのノベルティで頂いたのだから、これは持参して使うっきゃないと、以降使用させて頂いている。
最初の頃は、コーヒーを淹れていた。
しかし、コーヒーの渋みが内側についたのか、洗っても洗っても取れない感じになると敬遠してしまう。マドラーでぐるぐると擦られた跡が底に残っている。外側より内側のほうが汚れの居残りが多め。回転結果を反映している。
最近は、コーヒーメーカーが変わったようで、市役所によくあるマルチドリンクサーバーに切り替わった。コーヒー以外も飲める。紅茶、緑茶、ほうじ茶、オレンジジュース。若者達にはドリンクバーみたいで好評だが、あいにく年配の方々には不評のようだ。味が薄い。コーヒーがインスタンスになった。温度もぬるい。
温度というのは、内蔵されたお湯の温度である。よく浴室の温度を操作できるやつみたいに、お湯の温度が見られる。80℃なら「加温前だな」、98℃なら「飲み頃だな」となる。
いや、お湯の温度なので飲み頃は誤りか。いずれにしてもタイミングが重要になってきた。
まったく、コーヒーを飲むために、水温ならぬお湯の温度を気にしないといけないだなんて。昨今の天気予報かよ。気が休まらねえ。自販機を見習ってほしい。