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「花束は、どんな理由?」
・結婚破棄
・ラベンダー
・赤鬼
で書きました!
「……え?」
私は、彼の言ったことが理解できなかった。
「だから、言ってんだよ。お前とはもう一緒にいることはできない。結婚破棄だ」
彼が私に向ける視線は、あきらかに今までのものとは違った。まるで、汚らわしいものを目の前にしたようだ。
「ねぇ……なんで? どうして急に……?」
私は信じられなくて、何回も何回も聞いた。
「さっきから言ってんだろ! お前は、俺の想ってたやつじゃなかった! それだけだ!」
「……うそ……だよね……。うそ、って言ってよ……」
視界が涙でにじむ。その時、
「ね~、早くしよ? 私たち、これから結婚式の打ち合わせなんだけど」
彼の斜め後ろにいた女性が声を出した。
「悪い、|虹花《にじか》。というわけだから、今後一切近づかないで。消えうせろ」
「ちょっと……!」
私は椅子から立ち上がった。止めたい。行かないで、って言いたい。
すると、虹花と呼ばれていた女性がつかつかと私の方に来た。
「……いい加減にしてくんない?」
彼女から発せられたのは、さっきの声とは違う、怒りを含んだ低い声。
「迷惑してんの。あんたがゆ~くんの近くにいるから。私たちはろくにデートすらできなかった。でも、愉快だよねぇ。ずーっと一緒にいて、寝食共にしてきたのに。私に向けられる愛の方が思いなんて……」
ふふふっ、と本当に愉快そうに笑う彼女。
……なによ。私だって、振り向いてもらえるように努力して……
「あんた、物分かり悪いわね。とにかく、どっか行って。今日からここは私たちの家だから」
「……は?」
ふざけないで。なんで私が出ていかなくちゃいけないの? おかしいじゃない!
言いたいことが次々浮かび上がってくる。しかし、言ってしまえば、怒り狂ってどうにかなってしまいそうだ。
「……わかったよ」
そう言うしか、私は自分を守ることができなかった。
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<『おい』
公園のベンチに座っていた私のところに、一つのメールが届いた。
なに、これ? 知らない連絡先だ。
<『お前、このままでいいのか? 負けっぱなしで。1年前から、騙されていたことに気付かずに』
「え?」
思わず声が出た。
なに? 1年前から騙されていたって。
そんな私の心の中を読んだように、メールは続いていく。
<『1年前に始めてもらった花束。覚えてるか? あれからもう、お前は騙されてたんだよ』
花束。確か、嬉しくて記念に残したいから、写真を撮った気がする。
一度メールを閉じ、フォトを開く。1年前のところにスワイプで移動させ、花束の写真を見つける。
あった。紫色のラベンダーの花束。
<『花言葉、調べてみろ』
言われた通り、『ラベンダー 花言葉』で検索をかける。
そこには――
『ラベンダーの花言葉
・沈黙
・あなたを待っています
・清潔
・疑惑』
と書いてあった。
<『どう思う』
私は思わず、送り主にメールを返してしまった。
『彼は、私が浮気してるって思ったのかな』>
すぐに既読が着き、返事が返ってくる。
<『それだけじゃない。あの男、お前が他の男とホテルに行っている夢を何度も見たんだと。それが多すぎるから、本当なんじゃないかと思いはじめたらしい』
どうして、こんなに知ってるんだろう。
そう思いつつも、怒りがもう一度混み上がってきた。私に確認すればよかったのに。そうすれば、今回みたいなこともなかったはずなのに。
私は
『あなたは何物?』>
と尋ねてみた。返ってきたのは
<『赤鬼だ』
ということだけ。それ以来、私がいくらメールを送ろうが、二度と返事は返ってこなかった。
赤鬼要素が思ってたより少なくなってしまった……!