全力推し活！如月さん　①

去年のこと。 うちのクラスの如月さんは…推し活に全身全霊をかけている。 その頃の私には「推し活」というものがよくわからなかった。 例えば、この間、 「うちの最推し・すとぷりのジェルくんと、2推しのなーくんですっ！」 とかなんか言ってた。ほかにも、 「ななジェルもいいけど、ジェルななもいいよねっ！」 とか。 うん、ちょっと意味不明だね、うん。 如月さんは…ほかにもいろいろ頑張っている。 恋愛とか、趣味とか。 私には、そのすべてを持っていなかった。 でも、ある時分かった「推し活」は、楽しかった。 推しは翔と羚。二人がなんかさぁ、いいんだよ（多分これが尊いってやつ）！わかる人いる？推し居る人いる？イケメンじゃないわけじゃないし、いやぜんぜんめっちゃイケメンなんだけど、それとはまた違う意味で、なんか…キュン♡っていうかそれもちょっと違うんだけど…じゃあ何が正解やねんって思うかもしれないけど…その…あの…なんていうか、そんな感じなんだよ！（どんな感じ？） というわけで本日も二人で二人が話しているところを観察？監視？盗み見？していきましょう！（良い子の皆さんは真似しないでください。） もちろん、私たちも話す。 バレたら困るし☆ 違和感を消すため、その他もろもろのため☆ 「最近どうなのよ推し活はかどってる～？」 とか、馬鹿らしい話とか、そんなのしかしてない。 しかも監視してるの忘れてしょっちゅう話に集中しちゃう。 推したちはたまに誰かと戦っているけど…、 推し同志が戦うところなんて見たことないし、見たくもないっ！ 見たいわけないっ！ あああどんどん話がそれていく。戻さなきゃ。 というわけで話しながら、一応見ている。 そしたら如月さんが伏せたっ！ 推したちの方を見ると… ヤバいっ！くっついてる！ というわけで私も伏せる。 「破壊力その他もろもろやば…」 というのが私の感想。 ていうか伏せたままなかなか戻れないぃ！ あんなの見せられたら〇ぬでしょ誰であっても…！ キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪キーンコーンカーンコーン♪ ヤバいっチャイムが鳴った。 私は顔を上げて、さっさと席に戻り、次の授業の準備をする。 授業が始まる…はず。 でも先生が入ってこない。 今日もか… 「ごめんちょっと待っててー」 ……でしょうね！いや、だと思いましたよ！先生が入ってこない時点で変でしょう、普通！ またあの下ネタ大魔王がやらかして怒らなきゃいけないんですねッ！ まぁまぁまぁまぁ、この時間は？短いけど？妄想タイムになるし？いっか（ダメダメ！とてもよくない）。というよりちょっとうれしいよりな気もしますけど…。 --- 次の日の朝。 親友のみのりの席に行って絵を描いたりしていたのだが… なんか違和感。なんだ…？この気づかない程度の違和感。 あっ、あっあっ！なんか如月さんの席に月城様座ってる⁉ しかも私の視線に気付いてぴーすしてるし！ それからご丁寧に名札まで交換して… 手提げは交換してないけど、机に乗ってる荷物は交換してるし…ｗ 如月さんが帰ってきたらどうなる？ 今は挨拶当番でいないけど…ｗ 「え？」 うんちょうどいいタイミング！ 如月さんが帰ってきた！ｗ 「何でお前ここおるん？」 「え？渚の席はあっちでしょ？ほら、月城ユノって書いてあるでしょ？」 「勝手に交換すんなｗ」 あああああｗ如月さんも笑っちゃってるってｗ しかも月城さん演技うますぎな？ｗ これは演技部入ったらヤバいことになる。 （えっ、この新入生、演技うますぎ…！） ってねｗ ああ楽しｗ そのまた次の日、私もそれに巻き込まれた。…ｗ が、結構楽しかったのでまた忘れたころにやってくれたらうれしいなｗ なーんてねｗ …これが私の日常。 ほんとにマジで私の日常そのものがこれ。