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春嵐
晴瀬です
なんと2周年です
やばいですね!
運営さん、いつも見てくれてる方、初期から仲良くしてくれてるあの方この方、本当にありがとうございます!!
皆さんのお陰で生きてられてます
若干季節外れかもなのは承知のうえですが
春の話です
桜が咲いた。
春が来た。
思わず笑みがこぼれるほど嬉しい。
夏も秋も冬もずっと待ち焦がれていた。
春が来た。
息を吐く。
空を仰ぐ。
青空が広がっている。
目を細めて行き先を見た。
山を登る。
「久しぶり」
「1年ぶりだね」
彼女は言った。
彼女が微笑むと花が咲いた。
「久しぶり」
僕は応える。
「春、待ってたんでしょ」
彼女は笑みを深くした。
田舎町の山の誰も知らない場所に彼女はいた。
出会ったのは5年前の春だった。
彼女は多くは語らない。
5年前、「春にしか生きられない」と言った。
3年前、「夏と秋と冬はどこかへ意識が飛ぶ」と言った。
1年前、「昔は普通に生きていた人間だった」と言った。
毎年、「来春、待ってる」と言った。
彼女は自分のことを話したがらなかった。
だから僕は未だに彼女の名前さえ知らない。
桜が咲いてから睡蓮が咲き始めるまで、春のうちだけ彼女はそこにいる。
だから僕は春だけ彼女に会いに行く。
「今年はなんだか空がきれいな気がするよ」
彼女が言った。
彼女が言葉を発すたび木が揺れる。
「そうかな」
「どの季節も生きていたらきっと気づかないんだよ」
鳥が鳴いた。
山の開けた場所に彼女はいつもいて、僕が来るたび彼女は花を見て、鳥と話して、木と笑っていた。
「私いつからここに縛られてるんだろう」
今年の春、彼女はそんな事を言った。
後ろ向きなことを言うのはこれが初めてだった。
思わず僕が彼女の顔を覗き込むと彼女はまた口で笑顔の形を示した。
「なんでもないよ」
「なんでもなくないでしょ」
僕は彼女の言葉を否定した。
彼女の言葉を肯定しなかったのはこれが初めてだった。
それは気を遣っているとかではなくて、ただ彼女が言う言葉は僕が納得するものばかりだったからだ。
少しためらったような素振りを見せたあと彼女は言った。
「来春、また来てくれるなら、一緒に山を出てくれない?」
彼女がした初めての頼みだった。
僕は頷いた。
いいよ、と彼女ができるだけ安心できるように笑みを作る。
「なんで?」
彼女は僕を見た。
「え?」
「なんで、こんな私のためにここまでしてくれるの?」
複雑な表情をしていた。疑問の中に少しだけからかうような笑みも含まれているような気がした。
「え?」
「好きなの?私のこと」
彼女は含まれていた少しの笑みを面に出して訊いた。
「え?」
ここでやっと、僕はさっきから彼女の言葉を訊き返してばかりだと気づいた。
「なんてね、嘘だよ」
彼女がふいと僕から顔をそらした。
「え、いや」
僕が戸惑いながらその言葉を否定しようとした。
すぐ彼女はこっちを見て笑う。
「来春、待ってるね」
「え、」
僕の声が口から漏れた。
もう彼女がそんな事をいう季節になってしまっていたのかと思った。
「春、来てくれないの?」
「いや、そういうことじゃなくて!」
思わず声が大きくなる。
「そういうことじゃなくて…」
口ごもる。
なんとも言い難い感情をどう伝えようか迷っていると彼女は小さく笑った。
「待ってるね」
「来春も、次の春も、ずっと」
僕は黙って笑みを返した。
話すのは何も今春じゃなくてもいいと気づいたから。
2年もやっといて毎回話で終わり方を迷うのいい加減どうにかしようと思います
最近は友達の恋の話をひたすら聞いてます
いろんな友達が色んなとこで恋してて、付き合ったりする人、別れたりする人、好きなのにその人のLINE3日も未読スルーする人、好きな人のこと運命の人って断言してる人、好きな人に話しかけにすらいけない人、ほんと色んな人がいるなって思います
なんか急にみんな恋しだして何がきっかけだ?って思い返したら修学旅行ですたぶん
こっちは色々元気でやってます
ほんとに皆さんありがとうございます!!!
これからも細々頑張ります!
そろそろ年齢ばれてもしょうがないけど今年受験生なんで投稿頻度は落ちるかもです(勉強してるとは限らないけど)
今までありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!!