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鉄と蒸気と枕木と #2
続き。
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放課後。雪乃と校内を探索していた。校内は外観以上に広大だった。それだけで頭が痛くなりそうな位なのに、構造が複雑で図書室が第5くらいまであった。「そういえば五十鈴が言ってた蒸走部作りたいって話、榛名とその辺に生えてたイケメン先生に話したら快諾してくれた。」行動力とコミュ力がすさまじい。あとイケメン先生生えてたって何?「顧問の先生は?」「その生えてた先生。」そっちを取るんだ。”イケメン”ではなく”生えてた”の方。衝撃的なワードセンス、ちょっと好き。雪乃が言うにその先生は青山先生と言うらしい。部室は校舎の2階端で使う機関車はドイツの国鉄01型。過去全ての大会規制をかいくぐった優秀な子だ。部室はもう出来上がってるらしい。流石開校1年目で全校生徒1300人に達したマンモス校だ。この人数は一体どこから調達したのだろうか。
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いま私は一人で部室の前にいる。なぜ一人かって?他のみんな塾だから。周りで塾行ってないの私だけだし。しかし青山先生は何をしているのだろうか。この時間は開いているはずなのに。「五十鈴?」名前を呼ばれ、横を見た時の私は一体何を思ったのだろうか。そこにいたのは、数3前までお隣さんだった人だった。「颯真君?先生なってたの?名字変わってるし。」3年前に急に引っ越して、連絡も後から取れないようになって、名字がいつの間にか青山になって。「去年結婚したんだよ。携帯も壊れちゃって番号変えたから何も報告できなくて。」正直私は心配だった。両親共に同業者で、出張も多かったからずっと両親の代わりに世話をしてくれていた。そんな人と連絡取れなくなったら怖いだろ。「元気そうでよかった。」そう言う彼の優しい所も全く変わらなかった。
俺はリコリスになりたかった!!!!!!!!!
嘘です。戸籍位ください。