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6話
なあと_🎲
青さん目線
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あれから1週間たった。
俺も不眠症は改善しないが、体調は回復し、横になったりしてできるだけ寝ている。
「まろちゃん!! 昼休憩中ゴメンな!ちょいこっちきてーな!!」
「ん? 了解」
急にPHSが鳴ったと思ったら少し焦ったような初兎の声がした。
今は交代で昼休憩だったので、仮眠を取っていたところだった。
身だしなみを整えながら病室に向かう。
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病室のドアを引きながら、俺を呼び出した初兎を呼ぶ。
「しょおー? なんかあったん?」
「あ、いふくん!」
俺の声に反応したのは、ほとけだ。
部屋を見渡しても初兎と悠佑の姿が見当たらない。
「あれ? 初兎おらんの?」
「しょーちゃん悠くんと一緒に保護室にいるよー」
「あーおけおけ」
保護室に悠佑と一緒にいるみたいなのでそちらに向かう。
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「しょぉー? 入るでー?」
一言断りドアノブに手をかけ、入室する。
「あ、まろちゃん、急に呼び出してごめんなー、」
ベッドの横に置いてある椅子に腰掛けている初兎がこちらを見上げ話し始める。
「かまへんよ、悠佑は?」
よっぽどのことがない限り保護室に入ることはない。
それに、最近悠佑くんの情緒が不安定で、メイン人格を最近見ていない。
「悠くん今寝かせたんよー... さっき、フラッシュバックだと思うけど、幻覚でパニックになって攻撃的になっちゃったんよね...で、」
そう言いながら悠佑の頭を撫でる。
その初兎の目は本当に悲しそうだった。
「せやな... 初兎、俺おるから、りうらとかの方行ってあげな〜」
「え、ええの? じゃあお願いするわ」
そう言って初兎は部屋を出ていく。
俺は、悠佑との付き合いは長い方で、俺の近くにいると、精神が安定しやすいらしい。
しばらくすると、悠佑が目を覚ました。
「.....いふ先生...? ここどこ...?」
防御人格のかづ、だ。
見慣れない、狭い空間に少し怯えながら聞かれる。
「病院やで〜? 今誰もいないから安心してな?」
安心させるようにゆっくりと話しかける。
「落ち着いて、深呼吸しよーな、先生に合わせて...吸って、吐いて、」
深呼吸を促すと、俺と呼吸を合わせて、呼吸をしてくれる。
「そうそう、上手上手」
息が荒くなっていたが、深呼吸をやり落ち着いたようだ。
「落ち着いた?」
「... ん..コクッ」
力なく頷いたのを確認し、話を進める。
「じゃあ、ゆっくりでええから何があったか先生に教えてもらえるかな? 」
目を見てゆっくりと話すと、慎重に話し始めてくれた。
「ッ....かッ.....母さんが...こんな時に演技して怒らせて楽しいかって....現実逃避するなって...」
「そっか...辛かったね...ここね、誰もこないからね、安心してな? 母さんもこないで?」
「...先生は...?」
「先生もいつもよりは会えなくなるけどな、いつもより悠佑のこと見れるで?」
普通に考えると、嫌でしかないだろう。狭い部屋にベッドが一つ置いてあるだけの部屋。外に出たくても出れなくて、誰もこない。
可哀想だが、自傷他傷の危険があればここに入れなければならない。
「...せんせ...」
少し間を開けて話し出す。
「ん? どないしたん?」
「.....ぎゅってして」
目を逸らして言う。それがなんとも可愛い。
「悠佑は可愛いなぁ〜 ギュナデナデ」
「んッ 悠佑じゃない」
「wかづやったな?ギュー」
「ん....スゥスゥ」
安心したのだろうか、力が弱くなって眠りに落ちる。
ベッドに寝かせ、静かに部屋を出る。
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「ほとけーおる?」
病室に戻りほとけを呼ぶ。
保護室の監視をお願いしたいのだ。
「ん゛ぅッッ!! やだァ゙ッッッ!!! [叩く]」
「叩いたら痛いで〜? [軽く抑える] いむくん !! 安定剤 !!」
「はーい! いふくん!! ちょい手伝って」
「了解 !」
ドアを開けるとりうらがパニックを起こしてる。
「安定剤持ってきたよ ! 」
ほとけが安定剤を持ってきたので、受け取りりうらの近くに寄る。
「初兎!しっかり抑えとってな」
「おけ」
「ッ触ら゛ない゛でッッ!!!ヤ゙ァ゙!!」
アルコール綿で拭いて、点滴を打つ。
「痛い゛ッッ!!!」
「ごめんなぁ[離]」
りうらが声を上げた瞬間りうらの力が抜けたので、抱え、ベッドに寝かせる。
「りうら? 誰かわかる?」
「.......まろせんせぇ...」
ゆっくりとしたテンポで話し出す。
「よかった、大丈夫?」
「.....クラクラすぅ...スゥ」
安定剤の副作用で眠気が出てしまい、りうらはすぐに眠りに落ちた。
「り゛ぃら゛...大丈゛夫...?」
後ろから声が聞こえてすごいびっくりした。。
後ろを向くと鮮やかなピンク色が目一杯に広がった。ないこ、だ。
「大丈夫やで〜 ナデナデ」
「いふくん?呼んだよね?どーしたのー?」
また、後ろから話しかけられる。
ほとけだ。
「あー忘れてた...ちょい、保護室の監視とカルテまとめておいて欲しい」
「りょーかい!」
おはようございます!こんにちは!こんばんわ!僕です!(?)
なんか、リクエストあったら言ってください!
ここまで見てくれてありがとうございました!
次回もよろしくおねがいします!