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拾
みやび達の必死の看護で、みつばはなんとか元気を取り戻した。
しの「みつば!もう大丈夫、なの?」
みつば「うん。ありがとうしの。みやびとしゃる兄も」
みやび「みつばを運んだの、花音なんだよ」
しゃる「後でお礼言ってきな」
みつば「そうするわ」
みつばが戻ってきた時の国は、以前の勢いを取り戻し、かなめはないこへ宛てた文書を出した。
『同盟など組まない。みつばは傷だらけで帰ってきた。妹をこんな目に合わせたことは許せない。これ以上同盟を迫るなら、それは我が時の国への宣戦布告と見なし、直ちに攻撃を開始する』
これを読んだないこは鼻で笑い、返事を書いた。
『我ら音の国に勝てるはずがない。諦めて和解した方が身のためだ。大人しく同盟を組むがいい』
ないこは余裕としか思っていなかった。三国同盟を組んでいた彼らに怖いものなどなかったのだ。
だが、闘志に火がつき、殺意に燃えていた時の国を止めることなど不可能だった。
かなめ「じゃ、瓜の国に行ってくるね」
みつば「わかった!協定結べたらいいね!」
かなめ「行ってきます!」
かなめは瓜の国へ向かった。
瓜の国は音の国と仲良くしている国だ。ただ同盟には参加していない中立国である。
なろ屋「ようこそ、かなめさん」
かなめ「なろ屋さん、いきなりすみません」
なろ屋「それで、用事はなんですか?」
かなめ「俺、音の国に戦争を仕掛けようと思ってて。それで協力していただきたいんです」
なろ屋「え・・・?なんで戦争?今のままじゃ協力できませんよ」
かなめ「わかっています。ただ、これを聞いていただけませんか」
かなめはみつばの音声を記録したレコーダーを置いた。
そこには、みつばが音の国にされたことを語る声が入っていた。
なろ屋「そんな・・・これまで仲良くしてきたのに」
かなめ「俺の妹のみつばには会ったことありますよね。みつばは嘘を言わないんです」
なろ屋「これからも音の国とは友好的にやっていこうかと思ってたけど・・・これじゃできそうにない。もちろん協力するよ」
かなめ「ありがとうございます。決行は2日後です」
なろ屋「こちらも準備しておくから、安心して」
かなめ「助かります。俺・・・みつばを傷つけた音の国を許せないんです」
なろ屋「僕も、みつばちゃんとはほんとの兄妹みたいに遊んできたから、気持ちはわかるよ。一緒に戦おう」
かなめ「心強いです。お願いします」