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11 冒険にでるわよ③
みやめお #meo
「ねーえー準備終わった?」
「終わりましたよー。__続きは後でお話いたしますね__」
「え、あ、うん」
私は曖昧な笑みを浮かべ、リリとミリアーナについていく。
当分ここには帰ってこないだろう。
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やっとこの家から抜け出せるわ。
私たちは家の裏口まで回り、そっと家を後にする。
すると、護衛が「誰だ!」と大声を上げた。
悪いけど、ここで止まるわけにはいかないわ。
最低限のダメージで済むように催眠術をそっとかける。
護衛が寝たのを確認して家の裏の森に入っていった。
「暗……。こんな森がひろがっているんだ」
「ええ。魔物も多いのよ。例えばフェンリルレベル1000」
「え」
ネオをいじるのは何よりも楽しいわ。
私はぱちんと指をならす。
「あら、噂をすれば影ね」
「はわわ……」
このフェンリルは私が小さいころに親を亡くしさまよっていたところを拾った双子のフェンリルだ。
「お嬢様」
「はいはい」
「……ふぇ?」
『ミリアーナ、どうかしたの?』
「いいえ?」
なにがなにやら、という顔でネオが私を見る。
「後で話すわ」