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Auftakt#5
「にっ…人間が来たって,なんでっ⁉︎」
気がつくと,スマホを持つ手は汗でぬれていた。
「…私たちが恐怖の種って思ってるみたい。捕まえようとしてるの」
ああー悪い予感が当たった。だって,他に人間が来る理由なんてないもの。
「今,どうしてるのっ⁉︎」
「先生たちが全力で,バリアを張ってる。でも,いつまでもつか,わからない」
どうしよう。私もいくべきだろうか。考えていると,ルリの声がした。
「だから,ワカクサはコハクを起こして。《月部屋》で待ってるから。まだ来てない人もいるけど,これから連絡する」
「わかった」
通話を切って,コハクをゆり起こした。いつものようにぶつくさ言うコハクの耳元で,「早く起きてよっ!」と叫ぶ。コハクも緊急事態だと気づいたようで,きりっと目を光らせた。
「人間が来たんだよ。みんな《月部屋》で待ってるって」
「それ…本当?」
「本当だよ」
そう会話をかわしながら,ワカクサはこれは悪夢だ,とぼんやり考えていた。
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今日は1日2個目の投稿です!
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