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みんなでおひるね、ちいさなしあわせ beau monde 番外編
番外編!
立書くん!
いぇええええええい!!((
寝るのが嫌いだ。
暗い闇の中、好きなことを全て奪われて、ベットに寝かされて。
僕が親に支配されていた時の寝るまで。
中々寝れない体質だったから、暗闇の中、何もできずにただ寝転がっているあの空間と時間が大っ嫌いだった。
今でもそれがトラウマで、寝られない。
早く寝れば寝るほど、「死にたい」と思うような、自分が闇に飲み込まれそうになるような、あの地獄みたいな時間と空間が増えてゆく。
何かをしていて、寝落ちするんだったら、寝られるの。
だから、僕は薬を作った。
薬を作って、毒を作って、みんなが起きてきた時に渡してあげる。
それが僕の生きがい。
それが、僕が|唯一《・・・・》役立てること。
「りっかあああああ、薬ぷりーずううう…」
「あぁ…また寝てないんですね、もう…」
頭が痛い。
ハロイアさんがぼやけて見える。
何もないように取り繕う。
必死で立ち上がって薬を取りに行く。
ハロイアさんに、渡した、
つもりだった。
---
バタン。
立夏が、目の前で倒れた。
呼吸はしてる。
「立夏!?立夏!!」
意識はない…
俺は大声でみんなを呼んだ。
「なに…なんで…?」
「立夏死んじゃうの…?」
「とりあえず病院へ…!」
救急車のサイレンが聞こえてくる。
立夏は救急車に乗せられた。
みんな、必死な顔だ。
立夏…大丈夫か…?
無事でいろよ…
「命に別状はないですね。寝不足、栄養不足、疲労で倒れたようです。」
「よかったぁ…」
みんなとても嬉しそうにいる。
立夏はみんなに囲まれてすやすやと寝ている。
「立夏、俺には早く寝ろ早く寝ろ言うくせに、自分は寝てなかったんだな」
「ハロイアはゲームばっかして寝てないだけだろ。…立夏は、事情があったんじゃないか。」
「…」
「…立夏ね、あたしが立夏の部屋に行くと、いっつも絶対起きてるの。寝なさいよ、って言いながら、笑って、お菓子とかくれたの。内緒だよ、って。」
「ツキも、たまに、あった。」
「俺も…相談とかしたり、してた…」
「一回、一回だけね、なんで寝ないの?って聞いたの。」
「立夏はなんで寝ないの?眠くないの?」
「んー?眠いとは思わないかなぁ、…寝ないんじゃないの、寝れないんだよね。」
「ふーん…?」
「さぁさぁ、寝ようね。」
「ちょっと喋っただけで、その日はすぐ追い出されちゃって…」
「そういやさぁ、いっつも、朝飯は立夏が作ってたよな。俺が立夏の部屋に行った一番遅かった時間は3時だったわけ。その時は眠そうだったから、そこから寝たとして…5時に起きてたわけだろ?二時間しか寝てないってことじゃん…」
「…確かに」
「無意識に無理、させてた…」
突如、楽羅さんが声を上げた。
「じゃあ、お返しすれば?」
「…え?」
「立夏くんが今までぜーんぶ1人でやってたこと、今度は自分たちがやればいいじゃん」
「…!」
---
目が覚めた。
いつもの風景、いつもの時間。
いつもじゃないのは、音がすること。
いつも静かなこの時間が、賑やかなのだ。
なんだ…?
起きようとすると、それを見計らったかのようにツキカが飛び出して来て、僕をベットに押さえつける。
「立夏は寝てろ!な!」
「う…うん」
んで、また飛び出してく。
一体なんなんだ…?
結局、起きてこーいって叩き起こされたのは、七時だった。
「一体なに…」
机の上には、目玉焼きとか、ウインナーとか、美味しそうな朝ごはん。
キッチンの方には、エプロンをつけたみんなが立っている。
「どっ、どうしたの!?朝ごはんなら作ってあげたのに…」
「いいの!いっつも立夏ひとりでやってたでしょ、お返し!さ、食べて食べて!」
りふが急かす。
みんなにこにこ笑ってる。
「いただきます!」
美味しかった。
「どう?」
「美味しい…」
「泣くほど!?」
みんな、みんな笑ってる。
よく見たら目玉焼きなんてぼろぼろ。
頑張って作ってくれたんだなぁ。
僕のために。
嬉しいなぁ。
「頼ってもいいんだよ。」
ここは優しい場所だから。
みんな、みんな、優しいから。
結局、お昼ご飯もみんなに作ってもらった。
「お昼になりました!」
ハロイアさんがそう叫ぶと、みんな一斉に二階に行く。
はて…?
数分して戻って来たみんなが抱えてたのは…
「布団と枕…?なんで…??」
「お昼寝!しよう!」
お昼寝…
リビングの机と椅子をぜーんぶ片付けて、お布団を敷いて。
みんなでそこに寝っ転がって。
みんなで、お昼寝した。
小さな幸せが、うまれた。
なっがいきがする
てーふなのによく書いたな僕って感じです
てーふはこれからも続くので引き続きよろしくです(?