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花吐き病類司
天馬司視点
唐突だが、オレは好きな人がいる。
類「〜〜…司くん?」
司「!?す、すまない、類!」
オレと同じ、ワンダーランズ×ショウタイムのメンバーで、演出家の神代類だ。
恋愛感情として、類のことが好き。
だが、それは実らぬ恋。
男性が男性を好きになっている、それも同じメンバーに。
『片思い』
わかっていても、その言葉が苦しかった。
寧々「類ー司ー練習始めるよー」
司「あぁ、すぐに行く!」
草薙寧々。我らが歌姫。繊細で美しい声で、歌が上手い。
類の幼馴染だ。
えむ「早くショーしよー!」
寧々「えむ、これは本番じゃなくて練習でしょ?」
えむ「うぅ〜でも早く本番のショーをやりたいよぅ〜!」
鳳えむ。夢担当で、いつも奇想天外な発想を持ってくる。
身体能力が高く、夢を見ているような楽しい話をすることが多い。
類「それじゃぁ、今日はこのページのここから…」
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寧々「お、終わった…変更多すぎない…?」
類「フフッ、すまないねぇつい楽しい演出を思いついてしまって」
えむ「次の類くんの演出はどんなのだろー?ねー、司くん!」
司「ぇ?あ、あぁ!そうだな!」
寧々「あんた、練習中もボーってしてたけど、大丈夫なの?」
司「大丈夫だぞ!」
嘘だ。本当は胸がすごく苦しかった。
『花吐き病』
それはオレが患っている病気だ。
花吐き病は片思いや報われない恋をこじらせて、強い苦しみを感じる。
そう、類への片思いで、花吐き病が発症し、さっきもそれで苦しかったのだ。
治癒条件は想い人から恋心を返してもらう(両想いになる)こと。
類は、オレのことをきっと『友達』『座長』『変人仲間』としか思っていない。
だから、オレの病気が治ることはない。
司「っ、すまない、オレはもう帰るぞ!」
寧々「え?あ、うん、じゃぁね」
えむ「ばいばーい!」
類「…またね、司くん」
オレはステージから離れて、人目のつかないところに駆け込む。
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司「ゲホッ…!」
花吐き病の症状は咳と一緒に花や花びらを吐きだすこと。
司「危なかった…」
この、オレが吐いた花を他の人が触れると感染する。
だから、えむたちの前では吐いてはいけない。
司「もう、帰るか…」
もちろん、この病気のことは母さんも、父さんも、咲希も知らない。
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司「ゲホッゲホッ…」
自室に戻ってきてから咳が止まらなく…!
咲希「おにーちゃーん、ご飯できたよー!」
咲希が呼んでいる、何か返事をしなくては…!
司「ゲホッ、今日、オレ、は、ゲホッ…
ゲホッ、ゲホッ…」
苦しい、まともに会話ができない
咲希「お兄ちゃんもしかして風邪ひいちゃったの!?」
司「違う…!大丈夫だ…!だからオレのところにくるな…!
ゲホッ、今日、オレは晩御飯、ゲホッ、いらない、と…」
咲希「そう…?大丈夫そうには見えないけど…」
司「大丈夫、だ…!」
咲希「わかった…」
咲希に、心配をかけたくない…
悪いのは、全部オレ、だから…。
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司「はぁ…」
夜も咳がひどく、一睡もできなかった…。
司「花……」
どこに隠せば…
あ、この中に入れておこう
司「学校、行く準備しないと…」
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類「司くん、おはよう。
…おや?隈が酷いようだけど…もしかして眠れなかったのかい?」
司「あぁ、類、おはよう。…まぁ、台本を読み込んでいたらな…」
類「ふふっ、そうなのかい」
司「あぁ!」
オレは、すぐに嘘をつくな…
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今日も何事もなく終わった…類に告白したほうがいいのか…?
でも…
寧々「ちょっと司、いい?」
司「寧々…?なんだ…?」
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どうして人目につかないところ…
寧々「…あんた、花吐き病でしょ」
司「っ!?なぜ、それを…!」
寧々「それで、類のこと好きでしょ」
司「っ…あぁ…。」
寧々「…咳、がましなくていいわよ。別に触れないし。」
司「寧々…っ…ゲホッ…」
また、吐いてしまった…
寧々「…類に告白しないの?」
司「嫌われる…」
寧々「類はそんなことで司のこと嫌いになったりしないと思うけど。
…同性愛者だから」
司「え…?」
同性、愛者…?
寧々「えむも類も、花吐き病のこと気付いてないし、
何かあったら私に言いなさい。一人で抱え込むのも辛いでしょ。」
司「あぁ…」
初めて、頼れる人ができた…
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結局、類に振り向いてもらうためにはどうしたらいいのか…
司「類、の…好きなタイプもわからない…」
だが、寧々は類が『同性愛者』と言っていたか…?
司「……なぜ、期待しているんだろうな」
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えむ「〜〜!」
寧々「〜〜?」
司「〜!〜〜!〜〜…っ…」
類「?司くん…?」
司「す、すまない…!」
ここで、咳をしてしまったら…
寧々「…あんた、顔色悪いわよ。類、連れてってあげて。」
類「僕かい…?」
寧々「同性だし。」
類「…あぁ…」
なぜ、寧々ではなく類なんだ…?
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も、う…無理、だ…
司「ゲホッ……」
類「え…?」
あぁ、終わった。類に引かれた。
涙…止まらない…っ…
類「もしかして司くん、花吐き病なのかい?」
司「っ…(コクッ」
類「…誰が、好きなんだい…?」
答えられるわけがない、告白になる。
怖い、怖い…
司「っ……」
類「…僕にはね、好きな人がいるんだ」
司「…ぇ…?」
類「その人は、とても輝いていて、どんなことにも答えてくれて、
そして、僕に秘密で何かを抱え込もうとする。今も、ね。
…司くん、僕は君が好きだ、付き合ってくれないかい?
…まぁ、君が想う人は僕ではないだろうけど」
う、そだ…類、が、オレを…すき…?
司「っ…るぃ…っ!」
類「司くん!?」
急に、抱きついたから驚かれるかもしれない、けど…
嬉しくて……!!
司「オレが好きな人は…!類だ…!」
類「嘘…?」
司「嘘じゃない…!だから、だからこんなオレでいいなら…!」
類「あぁ、幸せになろう、司くん」
強く抱きしめられていたい、けど…
『心地いい』
そのあと、最後に吐いた花は白い「カスミソウ」が四本だった
カスミソウの花言葉
↪︎白:幸福
四本:一生愛し続けます